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なっとく法律相談  2006年2月13日 更新

妻が海外赴任地へ同行しないことは離婚原因となりうるか?

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Q.

 友人夫婦の話です。夫がアメリカへ赴任することになりましたが、妻は同行を渋ったため、とりあえず単身赴任することになりました。
 彼は、「いずれ寂しさから音を上げてついて来る」と思っていたのですが、妻の意思は変わらず、何度か一緒に来るよう促しましたが、つれない返事が返ってくるばかり。彼の方が寂しさから現地で他の女性と付き合ったが、現在は別れたそうです。
 海外勤務がこれからも続くこと、夫婦間の溝が深まったことから離婚を考えているそうです。この場合、有責者からの離婚請求となり、離婚はできないものなのでしょうか。また、どの程度の慰謝料を覚悟しなければいけないのでしょうか。
 結婚して12年、現在10歳の娘がいます。

(30代:女性)

A.

 当事者で話し合いがまとまらず、協議離婚が成立しない場合、調停を経て裁判によって離婚を求めることになります(民法770条)。
 その場合には、民法が定める離婚原因の有無が審理されるのですが、本件の場合は、単身赴任に妻が同行しないこと、それにより夫婦間の溝が深まったことが、同条1項5号「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」にあたるかが問題となります。
 夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない義務があるとされています(民法752条)。本件で、妻がこの同居義務に違反したといえるかですが、仕事上の事情などで別居を余儀なくされる場合や互いに合意の上別居した場合には、一方が同居義務に反したものではないため、妻には責任がないと考えられます。とすれば、現地女性との浮気を妻が知らないとしても、別居を理由に夫から離婚請求することは難しいといえます。
また、性格の不一致は、かなり極端な程度に至らないと「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」にあたるとは認められないでしょう。
 さらに、未成熟子がいる場合は、子の福祉に配慮がなされるため、裁判離婚は一般的に認められにくくなります。
 しかし、実務では、近年破綻主義が取られ、有責配偶者からの離婚請求が認められる方向にあります。そこで、調停などで離婚の意思を明確にした上で別居の年数を重ねれば、夫婦関係が形骸化しているとして、認められる可能性がでてきます。(有責配偶者からの離婚請求の詳細については、特集「有責配偶者からの離婚請求について」をご覧ください。)
 慰謝料については、当該夫婦の収入、資産、社会的地位、婚姻が成立してからの年数などを総合的に判断して決定されるので、ご相談の内容からだけでは何とも申し上げられません。

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