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なっとく法律相談  2006年3月 7日 更新

債務不履行を事前に防止するには(損害賠償額の予定)

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Q.

 不動産業をしています。半年の契約で、家主と入居者を仲介しました。
 定期賃貸借契約を結び、借地借家法38条2項に基づく説明も行い、署名押印もいただいています。しかし、それでも不退去の可能性がなくなるわけではありません。
 もし居座られた場合、強制退去させる手段はありますか?

(20代後半:男性)

A.

 不動産の定期賃貸借契約において、契約期間が終了しても居座り続ける債務者に対し、債権者たる貸主はどのような手段をとればいいのでしょうか。
 最終的には、裁判に訴え、執行文を得て強制執行をかけ、実力で立ち退かせることになります。しかし、それには多くの時間と手間を要します。そんな事態を事前に防止する方法があれば、それが一番望ましいことです。
 債務者の債務不履行を事前に防止する方法の一つとして、「損害賠償額の予定」をしておくという方法があります。損害賠償額の予定とは、債務不履行の場合に債務者が支払うべき損害賠償の額を、当事者間であらかじめ定めておくことを言います(民法420条1項)。

 借主は、契約期間の終了と同時に、目的物たる不動産を貸主に引き渡さなければなりません。これは契約の内容の一部であり、債務者たる借主の義務です。したがって、居座り続ける債務者は、債務不履行民法415条)ということになり、債権者は、債務者の債務不履行により損害が発生していれば、損害賠償を請求することができます。
 損害賠償の請求は、債務者が債務不履行状態となり、それによって被った損害額を債権者が算定し、債務者に請求することによって行います。しかし、損害の発生の有無や損害額については立証が煩雑であるうえ、後日訴訟となったとき、それらをめぐって争いが起きることが多いのです。

 損害賠償額の予定をしておけば、争いとなったとき、債権者としては損害の事実さえ立証すれば、損害の発生・損害額を立証しなくても、予定賠償額を請求することができます。また、実際の損害が予定賠償額よりも少なかった場合でも、裁判所も予定賠償額を減少することはできません(民法420条1項)。さらに、「もし立ち退かなければ、これだけ払わなければならないんだ」と思うと、債務者としても安易な気持ちで居座り続けることはできなくなります。
 ただし、これをするには当事者の合意が必要であり、また公序良俗に違反するような高額のもの、態様のものは無効となります(民法90条)から、その点注意が必要です。
 また、言うまでもありませんが、書面にしておくことも怠らないでください。

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