トップページ > なっとく法律相談 > 警察官に警察手帳の呈示義務はある?
なっとく法律相談 2006年4月18日 更新
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最近、警察の不祥事が多く、警察官を装った犯罪も増えています。そこで、職務質問を受けたような場合には、警察官であるという証拠、つまり警察手帳を見せてもらいたいのです。そうすれば名前や顔写真を確認して本当の警察官かどうか確かめることができ、ニセ警察官の撃退になると思うのです。ところが、「警察官に手帳の呈示を求めたら、『手帳を見せる義務はない。制服が警察官の証拠だ!』と言われた」という記事が、あるサイトに掲載されていました。警察官には、職務の執行に際し警察手帳を呈示する義務はないのでしょうか。
(30代:女性)
「職務の執行にあたって警察手帳を事前に呈示する義務」を、法律上、直接定めた規定はありません。
しかし、公権力の行使として職務を執行する警察官は、自らが警察官たる身分にあること、自分の執行しようとしている職務が適法であることを、相手方に認識させた上で職務を行わなければなりません。公務執行妨害罪(刑法95条)においても、同条で保護の対象となる職務は、適法に成立したものでなければならないとされています。
したがって、相手が警官であることに疑いを持ち、身分の確認を求めた場合は、警察官はその身分を証明する義務があるといえます。
さらに、「警察官は勤務中常に警察手帳を携帯しなければならない」いう規定(訓令)が存在します。これは、各都道府県の警察本部が、職務の執行を行うについて遵守すべき細則を定めたものである「処務規程」等として規定するものです。
たとえば、ある地方自治体の警察処務規程には、次のように定められています。
第8条 警察官及び交通巡視員は次の事項を厳格に守らなければならない。
7項 勤務中、常に、次に掲げる用品を携帯しなければならない。ただし、所属長が勤務の性質上その必要を認めないものについては、この限りでない。
ア 警察手帳(交通巡視員にあっては交通巡視員手帳)
イ 筆記具及び印鑑
ウ 警笛
エ けん銃及び警棒(交通巡視員を除く。)
オ 手錠(交通巡視員を除く。)
カ 名刺
また、これらの携帯品については、収納する場所まで規定されています。このような定めは、「警察点検規範」等の規定(訓令)として、処務規程とは別に規定されています。
たとえば、
第7条
1項 男子警察官は、次の各号に挙げる携帯品をそれぞれ当該各号に挙げる収納場所に収める。
1号 警察手帳 上衣の左胸部のポケット
2号 警笛 上衣の右胸部のポケット
3号 手錠 手錠入れ
一体何のために、警察官は「勤務中、常に、警察手帳を携帯しなければならない」という規定があるのでしょうか。
それは、自らが警察官であることを証明する必要がある場合に、一番確実で簡便な方法が警察手帳の呈示であるからに相違ありません(ニセの警察手帳である可能性も否定できませんが、それはまた別の問題です)。
以上より、警察官は、公務の執行にあたって相手方が身分の証明を要求した場合には、警察手帳を呈示して応える義務がある、と考えます。
集計期間: 2008年6月29日-7月5日
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