トップページ > なっとく法律相談 > 子供の遊び場になっている更地、所有者に柵の設置義務はないの?
なっとく法律相談 2006年4月24日 更新
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家の前には、もともと地主さんの畑があったのですが、最近宅地にして売り出されました。現在は、私の家を含む4軒の向かいに、道路を挟んで300坪近い更地が広がっている状態です。この空き地は子供たちには魅力的なようで、注意してもつい敷地内に入って遊んでしまいます。
先日、子供たちが敷地内で遊んでいたところ地主さんが現れ、「勝手に遊ばれては困る」「杭を抜かれたら、測量はやり直しになる。その場合は費用を負担してもらう」と、大変な剣幕で怒られてしまいました。
もっともな話ですので、その時は子供と一緒に謝りました。しかし、後になって、「幼稚園児が杭を抜けるのか?」「子供がつまずいて怪我をしたらどうする」「そんなに入られたくなければ柵でも立てろ」という気持ちも持ってしまいました。
土地の所有者に、何か策を講じてもらうことは出来ないのでしょうか。
(30代:男性)
地主さんは、所有権に基づいて、本件土地への立ち入りを禁止していると思われます。
所有権は「絶対的排他的権利」といわれています(民法206条)。すなわち、世間の誰に対しても、他人を排除して完全な権利を主張できるという意味であり、大変強力な権利なのです。これに対して、債権は、原則として相手方当事者にしか主張することはできません。
ある者の所有権を侵害した者は、故意過失の有無にかかわらず、所有者に対し損害賠償責任を負うとされています。例えば、ある人の所有物を壊してしまったとして、わざと(故意に)したから責任を問われ、うっかり(過失で)したから責任を問われない、ということはないのです。所有者にとっては、自己の所有権が侵害されたことに相違はないからです。
したがって、子どもが所有地に入って杭を引き抜いたような場合には、その故意過失にかかわらず、責任を負わなければなりません。(具体的には、保護者が、損害賠償責任として、杭を原状回復するための費用等を負担することになります。ただし、測量をやり直さなければならないとは限りません。民法712条、713条)。
ところで、他人に対し、その土地が自己の所有物であることを明らかにする法的義務は、土地の所有者にはありません。しかし、柵などを設置して境界を明確にしておかなかった場合にまで立ち入りに対する責任を追及することは、権利の濫用となり(民法1条3項)、許されないと考えます。
また、柵などを設置しておかなかったために、子どもが所有地に入って杭でケガをしたような場合には、土地所有者は、土地の工作物の占有者・所有者として、被害者たる子どもに対し不法行為に基づく損賠賠償をしなければなりません(民法717条)。
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