トップページ > なっとく法律相談 > 宿泊先のホテルで盗難!
なっとく法律相談 2006年5月 9日 更新
トラックバック(0件) ブックマーク:
(0)
(0)
(0)
旅行先の宿泊ホテルで、部屋に置いていた手荷物から新幹線の切符(2名分)のみが抜き取られていました。どう考えても清掃する方以外は部屋には入ってません。ホテル側で過失を認めさせて帰りのチケットを賠償させたいのですが、法律のうえではどのようになっているのでしょうか。
(20代:女性)
ホテル等の宿泊施設では、その宿泊約款において免責条項を規定しているのが普通です。それは、例えば「客に損害が生じた場合は、賠償限度を5万円とする」等とし、宿泊施設側の責任を大幅に免除する内容のものです。
このような免責約款については、企業側が責任を不当に免れようとするものとして、法的効力を疑問視する声もありました。しかし、契約自由の原則(「契約の内容は、原則として当事者が自由に決定することができる」という私法の大原則)から、公序良俗に反するような場合を除いて認められてきたのが現状でした。
しかし、近時最高裁判所は、「ホテル側に故意、重過失があれば、ホテルの賠償責任を限定した約款は適用されない。」との判断を示しました。
この事案は、ベルボーイが客の手荷物を運搬中、目を放した隙に、荷物の中に入っていた宝石類をキャリーカーごと何者かに盗み去られたというものです。
同ホテルの宿泊約款には、「フロントに預けるなどホテル側に申告しなかった貴重品などに損害が生じた場合は、賠償限度を15万円とする」と規定されていました。このため、ホテル側は限度額を超える分の免責を主張していたのです。
高等裁判所はホテル側の主張を認めましたが、最高裁ではベルボーイの過失の度合いや客側に落ち度がなかったかどうかについて、さらに審理を尽くすよう命じ、原審に差し戻しました。
これを今回の事件に当てはめれば、清掃員等部屋に立ち入る機会のある者の教育管理、マスターキーの保管状況等につき、ホテル側に故意・重過失があった場合には、免責約款の制限に関わらず、ホテル側に賠償責任が認められることになります。
また、ご相談文からは明瞭ではありませんが、ホテルと話し合う前提として、警察に被害届を出しておくことが大切だと思います。
集計期間: 2008年6月22日-6月28日
![]() | Amazon成年後見の法律相談 改訂版 |