トップページ > なっとく法律相談 > 没収した物を返してくれない先生。これは窃盗じゃないの?
なっとく法律相談 2006年7月14日 更新
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僕の通っている学校では、「不要物」といって、学校に持ってきてはいけないものが決められています。
最近、不要物をうっかり持っていってしまい、それが先生に見つかって「没収」されました。
呼び出されたので行ってみると、「没収するから、もう返さない」と言われました。これは窃盗になるような気がします。もし窃盗でないとしたら、没収とはどのようなことなのでしょうか?
(15歳未満:男性)
「没収」とは、もともと、犯罪に関係のある物の所有権を奪う刑事処分のことです(刑法9条・19条)。没収は、「付加刑」といって、何らかの犯罪に刑罰が加えられるとき、その刑罰に付加してなされる処分です。例えば、犯人が殺人罪(刑法199条)に処せられた場合、殺人に使われた包丁は「没収」されます。この罪を単独で科すことはできません。また、所有権は国庫に帰属するのであり、処分者個人や、特定の組織の所有物になるわけではありません。
したがって、学校の先生に刑罰としての「没収」をする権限はありません。先生が言った「没収」は、「取り上げる」という意味なのでしょう。
自分の好きなものを携帯し、身の回りにおいて楽しむことは、そもそも個人の自由であるはずです(憲法13条)。
しかし、法律で、一定の場合に所持・使用が禁止・制限されているもの(特定の薬物、凶器、タバコ等)はもちろん、教育上不適切・不必要と思われるようなもの、他の生徒に悪影響を与えると思われるものの学校への持込みを校則で禁止すること自体は、教育上必要な限度でならば、憲法13条等に反して違憲であるとは言えません。
学校は第一に教育の場であり、そこでは個人の楽しみより尊重されなければならないことがあるからです。
しかし、たとえ校則違反であっても、所有権を侵害すること、君のものを取り上げたまま返さないとすることは、許されません。
たしかに、校則の規定は学校教育の効果をあげるため必要ですが、個人の所有権もまた憲法で保障されている重要な権利(憲法22条)であり、それを根本的に奪うことは、法律に基づかないかぎり許されないからです。
ただ、不要物を学校に持ってきた場合、罰として、校則で「一定の期間学校が保管する」という規定を置くことは許容されるでしょう。
しかし、それも最低限必要と思われる期間にとどめるべきであり、いたずらに長い「没収」は許されないと考えます。特に、うっかり間違って持ってきたような場合は、その生徒の日頃の素行等もあわせて配慮するべきでしょう。
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