トップページ > なっとく法律相談 > アトラクションの行為で暴行罪!?
なっとく法律相談 2006年8月 1日 更新
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毎年、夏季期間限定のビアガーデンを開催しております。当店では、ミニスカートをはいた若い女性アルバイトを雇用してちょっとしたアトラクションを行い、「ちょっとお色気のあるビアガーデン」ということで、地域のお客様にはそれなりに楽しんでいただいておりました。
ところがある日、「お客を煽って、一気飲みさせている」「ゆで卵を客の額で割って食べさせているのは暴力行為だ」というクレームがきました。
たしかに、アトラクションの一部に、客がビールを飲む際に「ソレ!ソレ!」と女の子が声をかけたり、ゆで卵を客の額で割って、そのあと大げさに絆創膏を貼る、という行為があります。(ゆで卵はアトラクションに使用する旨、メニューに明記しています。)
この方は「今度見たら訴える」と申しております。しかし、我々もこのアトラクションを取ってしまうと客足が減ることは確実で、死活問題です。今まで、団体さんに「楽しいアトラクションで、盛り上がった」と喜んでいただいたことはあっても、このようなクレームは皆無でした。
この場合、果たして「一気飲み=暴力による強要」、「卵割り=暴力行為」にあたるのでしょうか?
(40代:男性)
いわゆる「一気飲み」により、人を泥酔させたり気絶させたりする行為は、人の生理機能に傷害を与える行為であり、刑法の傷害罪(204条)等に該当するおそれがあります。
また、卵を額にぶつける行為は、人に対する有形力の行使であり、暴行罪(208条)に該当するおそれがあります。
しかし、これらはいずれも、本人の同意があれば違法性を阻却し、罰せられることはありません。つまり、当の本人が承知しているのだから、そもそも刑法が罰しようとする「違法性」がないと評価され、刑罰の対象とはならないのです。
例えば、人の家に無断で上がりこむ行為は住居侵入罪(130条前段)の構成要件に該当します。しかし、家人が「いつでも上がっといで」と承諾している場合には、違法性が欠けるため、罪にはなりません(そもそも構成要件にすら該当しない、という考え方もあります)。
キスマークも、嫌がる人につければ傷害罪になりますが、相手の同意の上の行為なら、違法とは評価されません。
ご相談文からは、具体的にどのような状況でこれらの行為が行われたのか明らかではありません。
アルバイトの女の子がこのような行為をする場合には、もちろん客の同意か依頼を受けているのでしょうから、刑事責任が問題になることは考えにくいと思われます。しかし、客によりトラブルになるおそれがあるような場合には、「サービスを望まれない場合には事前にご指示下さい」と確認したり、店内に掲示しておいたりすると安心かもしれません。
なお、同意は、通常は黙示のもので足りると考えられています。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日