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なっとく法律相談  2006年8月21日 更新

上司に強要されて参加した野球賭博、罪に問われる?

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Q.

 私が勤務する職場では、10年以上にわたり、高校野球の勝敗に金銭を賭ける野球賭博が行われていました。毎年春・夏の2回、恒例として行われ、常時10名以上の者が参加しています。
 この賭博は、一年ほど前に胴元の都合で中止されましたが、やはり許せない行為であり、告発したいと思っています。そこで、賭博罪に時効はあるのでしょうか。
 また、上司が胴元であったため、強要されて仕方なく参加していた部下も罪に問われるのでしょうか?

(40代:男性)

A.

 単純賭博罪は、結果が偶然の事情にかかっている事柄につき、金銭その他の財物を賭ける行為をいいます(刑法185条)。本件では野球が対象となっていますが、相撲、マージャン、将棋、囲碁等、およそ当事者にとって結果(勝敗)が不確定なものであれば、賭博罪の対象となります。

 本罪の成立には金銭その他の財物を賭ける行為が必要ですが、食事など、「一時の娯楽に供する物」を賭けたにとどまる場合は除かれます。判例は、金銭については厳しい態度を取っており、少額でも本罪の「財物」にあたると考えているようです。

 したがって、野球の勝敗に金銭を賭ける行為は、単純賭博罪にあたるといえます。

 また、「反復して賭博を行う習癖がある」と判断される場合には、常習賭博罪186条1項)で処断されます。


 両罪の公訴時効は、単純賭博罪ならば「50万円以下の罰金または科料」にあたる罪なので3年(刑事訴訟法250条5号)、常習賭博罪の場合は「3年以下の懲役」にあたる罪なので同じく3年(同条同号)となります。

 上司に強要されて仕方なく参加した場合でも、本人の罪になることに変わりはありません。参加しなければ生命に危険が及ぶなど、かなり特別な事情があった場合でなければ、違法性が阻却されることはないと思って下さい。

 たとえば、東京地裁は、オウム真理教関連の事件で、元信者を殺害するよう指示され、殺害しなければ自身が殺害される可能性まであったという事案において、指示に従って元信者を殺害した被告人の主張を認めず、有罪としています(東京地判平成8年6月26日)。

 ただ、上司に強いられたという事実は、量刑等の判断において有利に斟酌されるでしょう。

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