トップページ > なっとく法律相談 > 家を出て行けという親、それを拒否することはできる?
なっとく法律相談 2006年8月21日 更新
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先日、父親が「お前とは親子の縁を切る。大学の費用も払わん。今月末までに出て行け。」と言ってきました。
理由を聞くと、
などでした。
1・2・3・4は事実です。しかし、5については違うと私は思っています。
私は、国立大学を目指して浪人中の学生です。現役受験のとき、ある私立大学を受けると決めたものの、本当にその大学に行きたいのか自信が持てず、一年間浪人して受験勉強を続けながら、大学を選びなおすことにしたのです。このことは親に相談しませんでした。
確かに自分勝手な行動だったとは思いますが、1~4も含め、これらのことは、家を出て行かなければならない理由としては不十分だと私は思います。
法律上私は家を出て行かなければならないのでしょうか。
(10代:男性)
法律上、親子の同居義務を直接定めた規定はありません。
しかし、親は未成年の子を扶養する義務がありますし(民法877条)、自宅に同居させて監護・教育に努め(820条)なければなりません。
また、親は子を自らが指定した場所に居住させることができる(821条)という強い権利さえ有するのですから、もし別居するなら、居所を決定し、その費用を負担する義務があると考えられます。 また、子どもがどんなに自分勝手であろうとも、鍵をかけて締め出す、実力で追い出すなどということは、許されることではありません。
しかし、お父さんが「大学進学の費用を払わない」と主張する点については、一義的に出費を強制する法的根拠はありません。
現在の日本では中学校までが義務教育と定められているため、高等学校以上への進学は、その家庭の現実的諸事情が許す限りで、家族の協力の下にできることでしかありません。
したがって、ご両親が「息子の進学費用を負担しない」と決めた場合に、あなたがそれを法律的に強制する方法はありません。
一言述べさせていただくと、お父さんが立腹されているのは、自分の意思だけで進学先を決定して憚らないという、あなたの考え方そのものなのではないでしょうか。
自分の納得のいく大学に進学するため努力することは、立派な行動です。しかし、たとえ意に染まない進学先であっても、あなたはご家族の扶助と協力があってはじめて、入試を受け、通学が続けられるのです。
詳しい事情はわかりませんが、ご家族の心配を考えれば、進学先を変更するような重要な決定をする場合には、事前に家族に相談し、理解を求める努力をするべきだったと思います。
家族が作ってくれた食事に手をつけず、暴言を吐くという態度は、家族であるがゆえに民事責任を問われることがなく、侮辱罪・名誉毀損罪等の刑事責任の問題になることもありません。お母さんだから、あなたを訴えないのです。相手が他人であれば、あなたの行為はただではすまない場合もあるのです。
自分のした行為は棚に上げ、他人の行為だけを法律の助力によって排除しようとするのは、偏った態度だと思います。あなたには、家族の大切さについて、法律の役割について、もう少し考えてみてほしいと思います。
集計期間: 2008年5月11日-5月17日
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