トップページ > なっとく法律相談 > 賃貸人の知人が壊した部屋のドア、賃貸人自身に賠償義務はない?
なっとく法律相談 2006年11月 7日 更新
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現在不動産関係の職場で働いています。
先日、お客さんにお貸ししている部屋のドアが壊されました。壊した人はお客さんの元知り合いで、現在連絡が取れないという状況。数回会っただけの人だそうです。
当社では、とりあえずコストの安い方法でドアを修理し、お客さんに費用を請求しました。ところが、「自分がやったわけではないから支払う義務はない」とのこと。
お客さんに修繕費用の支払い義務はないのでしょうか。
(20代:女性)
ご相談文では、御社とお客さんとの間で交わされている賃貸借契約の詳細が明らかではありませんので、修繕義務の負担などにつき特約のないものとしてご説明します。
賃貸借契約において、賃貸人には目的物を使用収益させる義務があり、賃借人には賃料の支払い義務や、契約終了時には目的物を原状回復し(自分で取り付けた家具を外すなど)、返還する義務などがあります(民法601条)。
したがって、ドアの破損が賃貸人の責任に帰するべきものであれば、賃貸人は賃借人に使用収益させる義務がある以上、そのために必要な修繕をしなければなりません。もしそれをせず、賃借人が契約で予定したとおり賃借物を使用収益できない場合には、賃貸人は損害を賠償する義務を負います(民法415条。ただし、ドアの破損の程度にもよります)。
しかし、もし賃借人の責任でドアが破損した場合は、賃借人は目的物に対し善管注意義務、原状回復義務を負う以上、自己の負担で修繕する義務があるといえます。
では、賃借人の友人が破損した場合、賃借人は自分がやったのではないからと責任を免れることができるのでしょうか。
たとえば、全く付き合いのない第三者が夜中にドアを蹴飛ばして逃げ、ドアが破損したような場合なら、賃借人に帰責性はないといえるでしょう。このような場合、御社では第三者に対し、不法行為(民法709条)に基づく損害賠償を請求するかありません。
しかし、たとえ現在ではあまり付き合っていないにせよ、友人(または友人であった人)がドアを破損した場合、その者がした破損行為を賃借人に帰責せしめても酷ではない場合があると考えます。
もちろん、履行補助者(家族や同居人)と同視して、無条件に負担させるというわけにはいかないと思いますが、そもそも賃借人との交友関係が基礎となって部屋を訪れていた以上、賃借人が全く責任を逃れるのは不当だと考えます。
なお、御社では別途、その友人に対して、不法行為に基づく損害賠償を請求することも可能です。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日