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なっとく法律相談  2006年11月21日 更新

新会社に未払い給料を請求できるか

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Q.

 以前に勤めていた個人商店で、給料の遅配が続いたため、退社しました。

 未払い給料については、労働基準局が間に入り分割にて支払うと書面にて約束を交わしました。

 それにもかかわらず、1回目のみの支払いだけしかなされなかったため、簡易裁判所に小額訴訟を起こし、その結果、又も分割にて支払うとの和解の調停で決着しました。しかし、またしても1回目しか入金されず、3ヶ月分が遅れています。 

 調停の条件に、「支払いが2ヶ月以上遅れた場合は、残額について一括払いとなる」との条項があるのですが、その個人商店は株式会社に組織変更し、代表者も主人から奥さんに変わっています。

 しかし、住所も従業員も電話番号もも取引先も個人商店の頃と同じです。会社名と代表者が代わっても、私の未払い給料を新会社の代表に一括請求出来るのでしょうか?

(50代:男性)

A.

 個人商店は法律上消滅し、会社法に基づいて新しく株式会社が設立されたというのですから、形式的には、従前の個人商店と新しく設立された株式会社は、異なる権利主体だといえます。

 そうだとすれば、あなたが心配されているように、個人商店の給料支払い債務を新会社が引き継ぐことはないようにも思えます。


 しかし、「住所も従業員も電話番号もも取引先も個人商店の頃と同じ」というように、営業の実態がほぼ同一であるにもかかわらず、単に組織変更をしたことによって個人商店名義の債務を免れられるとすれば、いかにも不当です。

 そこで、このような場合には、「法人格否認の法理」という理論により、法人と取引する相手方が法人格を否定して、実質的な責任者個人の責任を追及しうるとされています。

 株式会社が、実質は個人企業でありながら、税金対策上法人格を持つに至ったに過ぎないような場合を「形骸化事例」、また、法人の代表者が営業を新会社に移転したうえで会社を解散するなどし、自己の責任を免れようとする場合を「濫用事例」と呼んでいます。


 ご相談文からは詳細が明らかではありませんが、代表が親族に変わっただけであるとすれば、形骸化事例にあたる可能性が大きいと思います。

 新会社として同一内容の営業を継続しているのならば、もう一度労働基準局に指導に入ってもらう理由があります。少額訴訟等の経緯を報告し、相談してみてはいかがでしょうか。

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