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なっとく法律相談  2006年12月 5日 更新

勝手に持ち出した車と借りた車。許可無く転売した場合は罪が違う?

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Q.

 彼が私の姉の車を借りたまま、売却してしまいました。その後、姉は彼を告訴したため、彼は逮捕され、勾留されています。

 姉の証言の中で「キーをつけた車を勝手に持っていかれた」とのうその証言があったので、「車は、実は借りていたものであって、勝手に持っていったものではない」と警察に事情を話し、調書を取ってもらいました。

 なんとか彼の罪を軽くしたいと願っています。勝手に持っていったものと借りたものの違いは、この事件ではどう違ってくるのでしょうか?

(30代:女性)

A.

 キーをつけた車を「勝手に持っていった」場合と、借りた車を転売した場合では、成立する罪が異なります


 勝手に持っていった場合、他人の占有する財物をその意思に反して自分または第三者の占有に移す行為として、窃盗罪235条)にあたります。

 しかし、借りていた物を第三者に転売する行為は、自分の占有する他人の物を、委託の趣旨に背いて、その物につき権限がないのに所有者でなければできない処分をする行為として、横領罪252条)にあたります。

 従来、窃盗罪が懲役10年以下の刑であったのに対し(今回の改正で罰金刑が新設)、横領は5年以下と、約半分の刑でした。

窃盗が他人の占有を侵害するものであるのに対し、横領は既に自分が占有している物を処分するものである点が、誘惑性が高く、可罰性が低いと考えられていたようです。


 軽い処分にとどめる方法としては、本人が悔悟していることを検察官らに知ってもらうこと、被害者に弁償して示談を成立させることなどが考えられます。

 まだ公訴が提起されていない段階でしたら、お姉さんに被害額を弁償し、告訴を取り下げてもらうように働きかけてみましょう。ご相談文からは「彼」とあなたの関係がはっきりしませんが、もしお姉さんと「彼」が親族にあたる関係であるならば、刑法244条親族相盗例)により、告訴が取り下げられれば、裁判になることも、刑事責任を問われることもありません。

 しかし、この場合でも、いったん公訴が提起されれば、告訴は取り下げられなくなってしまいます(刑事訴訟法237条1項)。また、親族にあたらないときは、告訴が公訴提起の要件とはならないため、そのまま捜査が続けられることになります。

そのときは、裁判と並行して、示談交渉を進めることになるでしょう。

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