トップページ > なっとく法律相談 > 納車直前にキャンセル!かかった費用を請求できない?
なっとく法律相談 2006年12月12日 更新
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自動車販売業をしています。
内金をいただき、仮契約書を作成しましたが、キャンセルの際のペナルティー額などは一切取り決めていなかったところ、納車直前になってキャンセルされました。
納車までにかかった費用は、車検代10万円、納車点検費用2万円、部品交換代9万円(お客様希望)です。
このような状況ですが、キャンセルの場合の違約金は幾らくらい請求して宜しいものでしょうか?
(30代:男性)
まず問題となるのは、仮契約のときいただいた「内金」がどういう意味をもつかです。
売買の場合、一般に買主が支払う「内金」は、特別の事情がない限り、手附と解されます。売買契約の当事者が手附のやり取りをする目的はさまざまですが、わが国の慣習では代金の5分ないし2割程度の金銭の授受は解約手附とするのが普通です。民法も手附は一般に解約手附としています。(民法557条)。本件の場合も買主は内金を放棄して契約を解除することができたはずです。
ただ、相手方が自分の債務の「履行に着手」した場合には、もはや手附を放棄しても契約を解除することはできません(557条1項)。
そこで、いかなる場合が「履行に着手」したかが問題となりますが、「客観的に外部から認識しうるような形で、履行行為の一部をなし、または履行の提供をするために欠くことのできない前提行為をなした場合」をいうとされています。
本件では、買主の希望によって部品の交換までしているので、売主に履行の着手があったことは問題なく認められるでしょう。この段階にいたっては、買主は契約を解除することはできないということになります。そこで、売主であるあなたは買主に車を引き取るよう求め、残代金と損害があればその損害の賠償を請求することができることになります。(民法557条2項、545条3項)
ただ、契約書に「仮」と表記されていることが問題となりえます。買主はまだ「本契約」を交わした覚えはない、と主張するかもしれません。
しかし、売主が履行に欠くことのできない準備行為をし、買主もそれを認識していたと考えられることなど、本件の事情を総合して判断するに、契約書に「仮」との記載がなされていることは「後日改めて(印紙などを貼った)正式な契約書を作成する」という意味合いをもつにすぎず、契約は有効に成立していると考えられます
したがって、いずれにしても、あなたは買主に残代金と損害があればその損害の賠償を請求することができることになります。
ただ、そうは言っても、商売をしている者としては、お客さんとやりあうことは望まれないかもしれません
それならば、以上のような事情を説明した上で、かかった諸費用と相当額-あなたが準備に費やした手間と時間を填補できるような額-を提案して支払っていただくのが相当でしょう。
今後は、このような場合に備えて、キャンセル代について事前に書面で合意されておくことをお勧めします
集計期間: 2008年5月4日-5月10日
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