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なっとく法律相談  2007年1月15日 更新

万引きした息子の賠償額に納得がいきません

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Q.

 中学三年の息子が、コンビニ店で、3回にわたり万引きをしました。盗んだのは、1回につき価格105円の菓子パン1個、つまり3回で菓子パン3個、315円相当となります。

 そのときは見過ごされていたのですが、昨年12月、同じコンビニ店で同級生が万引き未遂でつかまった際、他に万引きしている子どもの名前を書かされました。6名で、息子の名前も入っていました。

 中学で教師を交えて相談し、とりあえず店側に親子で謝罪に行き、反省文も提出しました。警察にも報告しましたが、訓告という形ですみました。

 これで一件落着かと思っていたところ、1月9日、コンビニ店から店長名で損害賠償金請求の手紙が届いたのです。「今回の万引きによる損害賠償金として一律三万円としますので、今月中に下記口座へ振り込み願います。」

 全面的に非はこちらにあるのですが、実害額の約100倍近いものを払うということに、何か釈然としないものを感じます。

 ご回答をよろしくお願い申し上げます。

(40代:男性)

A.

 不法行為による損害賠償には、他人の権利又は法律上保護された利益の侵害による財産的損害に基づくものと、財産以外の損害に基づくものとがあります(民法709710条)。

 後者の「財産以外の損害」とは精神的なものを意味します。それに対する賠償が「慰謝料」と呼ばれるものです。


 本件で、万引きにより店が被った財産的損害は、万引きされた商品の価格相当の金銭および万引きへの対応にかかった人件費等と思われます。このうち、対応にかかった費用は算定が困難なので、損害として請求できるのは商品相当額ということになります。

 というのも、裁判において不法行為による賠償責任が争われるときは、損害の内容、価額の主張立証責任は原告(本件では-裁判になっているわけではありませんが-店側)にあるとされているからです。

 したがって、店が請求してきた3万円×6人分の賠償金の内容は、その大部分が慰謝料として請求されていると考えられます。


 では、およそ18万円に及ぶ慰謝料は相当といえるのでしょうか。

 慰謝料は、主として精神的苦痛を填補するために機能していますが、精神的損害の算定を正確に行なうことは非常に困難です。

 そこで、訴訟においては、裁判官が、被害者の地位・職業、加害者の社会的地位や財産状態など様々な事情を斟酌して、慰謝料の算定をすることができるとされています。そして、その際には、財産的損害額の立証に原告が失敗した場合の補完としても機能しているといわれています。


 慰謝料のこのような機能を考えると、一人3万円という金額が高すぎるとは、一概には言えないかもしれません。未成年とはいえ、6人もの中学生が、日常的に万引きしていたという事実は無視できないからです。

 しかし、法律の素人が適切な慰謝料を算定できるとも考えにくく、特に被害者は高めの要求をしがちです。

 できれば担当の教師も交え、再度当事者間で話し合いをもたれてはいかがでしょうか。

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