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なっとく法律相談  2007年1月22日 更新

規約の無い町内会、法的に問題はない!?

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Q.

 私の住む町内には、小学生が会員の「子供会」と、その保護者が会員の「子供育成会」があります。

 かねて子供育成会のあり方に疑問を感じていた私は立候補し、来年度の会長に選任されました。

 そこで、現役員との引継ぎのため「規約を見せてはしい」と申し出たところ、そもそも規約というものが存在しないことが判明しました。子供育成会の会員となった際、規約を見せられないまま会費を徴収されたことなどを思い出しました。

 新役員からは「今更わざわざ作らなくても」という意見が出ています。

 そこで、(1)法的に規約を作らなくても問題ないのでしょうか? (2)規約を作る場合には、総会を開き、過半数あるいは3分の2以上の賛成を得たうえで制定するものなのでしょうか?

(30代:女性)

A.

 「法人」という概念があります。

 何人かの人間が集まって、ある目的の下に活動しようとするとき、個々の構成員とは別に「法人」という実在を認めることが適当であり、また必要でもあることから、「自然人」とは別に、「法人」を認めることになりました。

 ただ、法人を作るのに何の制限もないとすると、その相手方になって取引をした者が不測の損害を被る虞があります。

 そこで、主として取引安全の観点から、法律上の「法人」は勝手に作ることはできず、法律の規定に則って届出をするなど、法律の規定によってのみ認められるという制度が採用されています(民法33条)。こうして「法人格」を取得した法人のみが、独立した権利能力の主体となれるというわけです。


 しかし、団体の性質に適合した法律規定がなかったり、法人格を得るのは面倒だとか、官庁の監督を受けたくないなどの理由から、「法人」となっていない団体があります。このような団体を、「権利能力なき社団」といいます。

 これは、法人格を得ていないために、法律上権利能力がないとされる団体のことであり、町内会や保護者会、趣味の同好会などがこれにあたります。

 形式的に考えれば、権利能力なき社団は権利能力を有しないのだから、町内会も町の住民が集まって何かしているにすぎない存在ということになります。そうだとすると、会の活動のために必要な費用も、住民一人ひとりが頭数で割ったものを負担することになり、会として独立の取引はなしえないと考えられます。訴訟を提起したり応訴したりする場合も、きわめて煩雑な手続きをとらざるを得ません。

 しかし、法人としての実体を備えているにもかかわらず、届出や登記をしていないというだけで権利能力がないとするのは、形式的過ぎるのではないでしょうか。

 法的手続きを経なかったことによる不利益(税法上の取扱いなど)は甘受せざるをえないとしても、その他の場面においては法人に準じた法律上の地位を認めても不都合はないのではないでしょうか。


 では、「法人としての実体を備えている」こと、すなわち「権利能力なき社団」と認められるためには、何が必要とされるのでしょうか。

 この点、判例は、「団体としての組織を備え、多数決の原理が行なわれ、構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、その組織において代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定していること」としています。これがそのまま、ご質問に対する回答となることでしょう。

 「規約」やその制定方法については言及されていませんが、「団体としての主要な点が確定」されているというためには、会員の手続保障の観点からも、構成員の合意を得たうえで明文化された規約が必要であろうと考えられます。

 会費の支払などの負担が会員に課されているならば、ぜひその内容と徴収方法についても規約に盛り込んでおくべきでしょう。各期において会計報告を行なうのも当然のことです。

 役員において仮案を作成し、総会にかけて承認を得ることにされてはいかがでしょうか。

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