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なっとく法律相談  2006年1月 9日 更新

会社が賠償責任を負ってくれた社内での事故

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Q.

 2年ほど前、会社の敷地内で事故を起こしてしまいました。会社の車両を縦列駐車する際、車の間に立っていた同僚を挟んでしまったのです。過失は私にあります。

 同僚は足の靭帯を切ってしまい、手術を受けた後、7~8ヶ月の入院とリハビリをしましたが完治せず、障害が残ってしまいました。

 会社では、社内での事故であるため労災扱いとし、賠償責任は会社が負うと言ってくれました。事故を起こした車両の自賠責保険は適用されましたが、私個人の任意保険は、自分の車でもないことから適用されませんでした。

 ところが最近、賠償金額に折り合いがつかず、同僚が示談を断っていることが分かりました。会社側の申し出た賠償額250万に対し、同僚側は1600万を提示してきたらしいのです。その後、会社は300万~400万まで譲歩し、現在も交渉が続いています。

 私は慰謝料として残りの金額を支払わなくてはならないでしょうか。私の気持ちとしては200万位は考えていましたが、実際にこの様な場合は加害者がすべて支払わなくてはならないのでしょうか。どうかご教授ください。

(30代:男性)

A.

 本件では、就業中に起こった事故であることを考慮して、会社が賠償の責を負うという姿勢をみせています


 会社と被害者の間に和解が成立すれば、直接の加害者であるあなたが賠償責任を負うことはなくなります。

 もちろん、この場合でも、法律上は会社が被用者に求償する(損害の一部を支払うよう求める)ことは可能なのですが(民法715条3項)、会社があなたに代わって被害者に賠償しようとしている本件の事情では、その心配は少ないと考えられます。

 その結果、あなたはこの事故について、少なくとも法的責任を負うことはなくなります。


 では、あなたが心配されているように、会社と被害者の交渉が決裂した場合はどうなるのでしょうか。本件では、被害者の求める賠償金と会社の提示した金額に開きがあるため、このまま交渉が続けられたとしても決裂する可能性は否定できません。

 この場合、あくまで会社の申し出た金額より高額の賠償を求める被害者は、あなたと会社を相手取って、損害賠償の支払いを求めて訴訟を提起することが考えられます。被害者としては、両者に対して請求することにより(特に、支払い能力の高い会社を相手取ることにより)、確実に賠償を受けることを期待すると考えられるからです。

 相手方の主張として考えられるのは、会社に対しては雇用契約上の安全配慮義務違反に基づく債務不履行による損害賠償請求415条)、使用者責任に基づく損害賠償請求(715条)、あなたに対しては不法行為に基づく損害賠償請求(709条)、また、両者に対して、自動車損害賠償保障法に基づく自動車損害賠償責任(同法3条)などです。


 あなたがどれだけの賠償責任を負うかは、上記のうちで認められた請求や、金額によって異なる可能性があります(ただし、被害者の主張が全額認められたとしても、あなたと会社から二重取りできるわけではありません)。

 もし現実に訴えが提起された場合には、請求の内容をよく検討の上、場合によっては会社と協力して応訴する必要があります。

 不安な気持ちにさせられると思いますが、確定判決を得るまでには相当程度の時間を要します。どうか会社と十分相談の上、落ち着いて事にあたってください。

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