トップページ > なっとく法律相談 > 売掛金の請求で脅迫罪!?
なっとく法律相談 2007年2月 5日 更新
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ある会社の社長に売掛残代金を請求しているのですが、払ってくれないまま1年になります。
同じ会社の役員(女性)が近隣に住んでいるため、事の経過をその役員の家族(夫)にお話しするため訪問したいといったら、「家族を巻き込まないでほしい」「来ないでほしい」と断られました。
警察にも相談したらしく、「あなたの行為は脅迫罪になるので、警察官が立会いの上会うので訪問日時を教えてほしい」とも言われました。
その女性役員に売掛残代金の請求をするつもりはなく、ただその人のご主人にこれまでの取引の経過や、当方が回収出来ず困っていること等々を話したいだけだったのです。それでも「害悪の告知」として脅迫罪になるのでしょうか?
役員の方は女性で、会社は現在閉めています。役員の方と社長は設立(創業13年)以前からの知人で、家族ぐるみのお付合いと聞いています。
(40代:男性)
脅迫罪とは、被害者または親族の生命・身体・自由・名誉または財産に対して害を加えることを告知して、相手に恐怖心を生じさせる行為を罰するものです(刑法222条 1項、2項)。
そのため、本罪にいう「害悪の告知」とは、それ自体犯罪になるようなものでなくても、相手に恐怖心を生じさせる類のものであればよいとされています。
たとえば、不正行為をした相手に対し、「警察に通報するぞ」「会社にばらすぞ」などということも、専ら相手を畏怖させる意図でなされたときは「害悪の告知」にあたります。
不正行為を警察に通報する行為自体は、何ら咎められるべき行為ではありません。しかし、正当な行為であっても、相手を畏怖させる意図でされたときは、それにより相手の私生活の平穏、安心感を害することになるからなのです。
役員の夫に、その家族が役員を勤める会社の社長が残代金を支払わなくて困っているという事実を告げ、債務を履行するように忠告することを求めたりする行為自体は、あなたの立場に立てば正当な行為とも思えます。誠意のない債務者の債権者としては、代金を払ってもらうためには藁をも掴みたい気持ちであり、その家族にも代金を払うよう働きかけてもらいたいからです。
しかし、その夫は単なる役員の家族であり、何ら債務を支払う義務を負っていない以上、その者に今までの経緯を明らかにするという行為は、嫌がらせや脅迫めいた言辞と取られる可能性は高いといえます。
また、警察の取調べを受けることにでもなれば、多大な時間と手間を取られます。これは、効率的な債権回収という観点からも、賢明な行為とはいえません。
債務者本人に対する内容証明郵便による支払督促、民事訴訟の提起など、トラブルの起こらない方法で対処することが最善だと考えます。
集計期間: 2008年8月24日-8月30日