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なっとく法律相談  2007年3月13日 更新

突然住居侵入罪を主張した彼氏、こんなの成立するの?

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Q.

 男性甲と女性乙とが交際関係にある。交際期間は2年。その間、乙は甲宅に自由に出入りしており、そのことでトラブルはなかった。甲は一人暮らしである。乙は甲宅の合鍵を持っていたわけではなかったが、甲宅は、常時、鍵が掛けられていなかった。

 いつものように、乙が甲宅で甲の帰りを待っていると、甲は別の女性と帰宅した。突然の心変わりであろうか、甲は乙に対し、「自分の不在時に勝手に自宅に入っていた」と言って、住居侵入だと主張した。住居侵入罪は成立するのか?

 甲乙の交際関係の立証の可否で、同罪の成立に影響するのか?交際関係の立証とは?

(20代:女性)

A.

 正当な理由がないのに他人の住居に侵入すると、住居侵入罪が成立します(刑法130条前段)。そして、「侵入する」とは、判例の立場では、住居権者の意思に反して住居等に立ち入ることとされています。

 したがって、住居への立ち入りについて住居権者の同意がある場合には、住居侵入罪は成立しません。同意は、住居権者全員について必要とされます。


 甲は一人暮らしですから、甲が乙の立ち入りを承諾していれば、住居侵入罪は成立しません。

 乙が甲宅に出入りすることに関して、それまではトラブルがなかったとのことですから、甲の承諾、すなわち同意があったものと考えられます。合鍵を渡していなかったとしても、同意の存在が否定されるわけではありません。ただ、合鍵を渡したという事実があれば、同意の存在を根拠付けることが容易にはなります。


 問題は、甲が別の女性と帰宅したときにも、なお甲の同意が存在したといえるかどうかです。甲がそれ以前に、乙に「もう、来ないでくれ」などと言っていた事実があれば、同意は撤回されたものと考えられます。しかし、ご相談文に、「いつものように…甲の帰りを待っていると」「突然の心変わりであろうか」とあることから、甲が同意を撤回していたと認めるのは困難でしょう。

 したがって、ご相談文記載の内容が証明できれば、住居侵入罪は成立しません。


 交際関係の事実については、立証されれば、甲の同意を推測する間接証拠とはなります。ただ、交際しているからといって必ずしも相手方宅に立入るとはかぎりません。むしろ、それまで甲宅へ出入りしていたという事実の立証が、同意の存在を裏付けるためには有効であると思われます。


 とはいえ、安心してそのまま甲宅に居続けるわけにはいきません。もし、甲が乙に対して、甲宅から出て行くように告げた場合、その退去の要求に従わないと、不退去罪刑法130条後段)が成立することがあります。その際、滞留した根拠、滞留の態様、滞留の時間などが総合して判断されます。

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