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なっとく法律相談  2007年4月 9日 更新

介護施設に入った父の土地を売ることは出来る?

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Q.

 最近、父親の言動がおかしくなり、介護施設に収容してもらいました。そのための費用の捻出には、父親名義の土地を売却して現金化するしかありません。法定相続人は母親と四人の子供ですが、その中に判断が困難な障害者が一人と行方不明の者が一人います。

 当該土地を売却する方法をご教示ください。

(50代:男性)

A.

 お母様と4人の子供は、お父様の推定相続人にあたります。推定相続人といえども、相続開始前に、被相続人の財産を処分する権利を持つものではありません。


 お父様名義の土地を売却する方法としては、後見開始等の審判を申し立て、お父様の代理人を選任したうえで、その代理人と協議して土地を売却するという方法が考えられます。


 判断能力が欠けていたり、あるいは、不十分である者のためには、その程度によって、後見・保佐・補助開始の審判を家庭裁判所に申し立てることができます。この申し立ては、本人以外でも4親等内の親族であれば可能です(民法7条11条15条)。補助開始の審判については本人の同意が必要となります。

 後見開始の審判で後見人が選任されると、後見人には本人の代理権が認められます(民法859条)。財産に関するすべての法律行為を本人に代わって行うことができます。保佐人と補助人の場合は、別途、代理権付与の申し立てが必要です。裁判所は、当事者が申し立てた特定の法律行為について、代理権を与えることができるとされています(民法876条の4876条の9)。特定の法律行為とは、本件のように、お父様の土地を売却することがこれにあたります。この申し立てをするには、本人の同意が必要です。


 このように、民法は、本人の判断能力の程度によって、少しずつ異なる制度を用意しています。お父様の状況によって、どの審判を申し立てるか決められるといいでしょう。申し立てには、推定相続人全員の同意は必要ありませんが、ご家族でご相談されることにこしたことはありません。

 本人・申立人・後見人等候補者の戸籍謄本等のほか、本人の診断書が必要となります。その他、成年後見人として登記されていないことの証明書が必要です。また、原則として、本人の精神の状況について鑑定も必要となります。


 なお、被後見人等の住居となっている建物や敷地を代理人が売却する場合は、家庭裁判所の許可が必要とされています(民法859条の3)。本件土地の使用状況、さらには、お父様が現在介護施設に入居されている事情等を説明される必要があります。

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