トップページ > なっとく法律相談 > 他人の携帯を操作して番号を入手するのは罪になる?
なっとく法律相談 2007年4月10日 更新
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先日風俗店に行った際、接客女性の所有する携帯電話を本人に隠れてこっそり操作し、自分の携帯宛に発信し、彼女の電話番号を入手しました。その後、お店の従業員から呼び出され、「このような事は窃盗になるはずなので、警察に告訴するぞ」とおどされました。
本当に刑法に触れるのでしょうか?
(30代:男性)
まず、電話番号を入手したことが窃盗罪にあたるかどうか検討してみましょう。窃盗罪(刑法235条)とは、他人の「財物」を窃取することです。「財物」とあるように、他人の「物」を盗んだ場合でないと、窃盗罪は成立しません。現行の窃盗罪では、いわゆる情報窃盗は処罰されていないのです。あなたが入手したのは電話番号という情報ですので、「財物」とはいえません。したがって、本件のように電話番号を入手しただけでは窃盗罪にはあたりません。
では、あなたがこっそり女性の携帯電話を使用したことは、どのように扱われるでしょうか。あなたは、携帯電話を盗むつもりはなく、ちょっと使っただけです。
このような事例を使用窃盗と呼んでいます。自転車を拝借して数時間乗りまわした後に返しておいたというような場合です。裁判例では、たとえ使用後に元の場所に戻しておくつもりであっても、窃盗罪が成立するとしたものがあります。
あるいは、企業の機密資料をコピーする目的で持ち出し、コピーした後、資料を元の場所に戻しておいたという事件でも、窃盗罪が成立しています。
このように、たとえ後で返しておくつもりであっても、窃盗罪が成立する場合があります。もっとも、自転車の事例では4時間あまり、機密資料持ち出しの事例では約7時間、別の場所に持ち出された事例でした。
あなたが女性の携帯電話を使用した時間にもよりますが、数分程度でしたら、女性の携帯に対する占有を侵害したとまではいえず、窃盗罪が成立する可能性はきわめて低いといえるでしょう。もっとも、占有侵害が認められた場合には、女性の所有する携帯から発信している以上、「自己の所有物と同様に利用した」として不法領得の意思が認められ、窃盗罪が成立する可能性は残されています。
民事上の責任はまた別の問題です。女性になんらかの損害が生じた場合には、不法行為責任として損害賠償義務が生じることもあります(民法709条)。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日