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なっとく法律相談  2007年4月16日 更新

預かっていた落し物を無くしたコンビニに責任はある?

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Q.

 コンビニから「定期券を落としましたね、預かっておくので取りに来てください」と連絡がありました。オフィスからは遠いコンビニでしたので、4日後の休日に取りに行ったところ、「ちょっと前までここにあったのですが…」と言われ、結局受け取ることができませんでした。

 定期券の価値は2万円弱ですが、パスケースがブランド物で2万円程度のものです。落し物を紛失された場合、損害賠償請求はできるのでしょうか?

(30代:男性)

A.

 遺失物法によると、コンビニのような「建築物」あるいは「施設」の中での落し物は、最終的には、その「施設」等の占有者に届けることとされています(同法10条1項、2項)。ここで施設の占有者とは、コンビニの店主になります。占有者は、落し物を速やかに遺失者に返還するか、警察署長に差出さなくてはなりません(同法10条1項、3項、1条1項)。

 コンビニがあなたに電話をして、定期券を返そうとしたことは、この法律に則った行為といえます。ところが、現行の遺失物法には、遺失者に返還するまでの間の保管については、特定の場合を除いては、規定がありません。


 では、どのように考えるべきでしょうか。

 民法697条以下では「事務管理」について規定されています。義務がないのに、一旦他人の事務を始めた以上は、委任された場合と同じように責任をもって事務にあたらなくてはいけないというものです。民法上、事務管理者に対しては報酬を支払う必要はありませんが、遺失物法が規定している「報労金」は、特別法として報酬請求権を認めたものと理解されています。遺失物法の規定している遺失者への返還義務は、事務管理に相当する行為が法律上義務づけられている場合といえるでしょう。

 事務管理を始めた者は、善良な管理者の注意をもって事務の管理をする必要があります(民法698条参照)。善良な管理者の注意とは、職業や社会的地位に応じて一般に要求される程度の注意義務をいいます。本件でも、コンビニは、このような注意義務を負っていたといえます。


 コンビニ等の店舗で落し物を預かる場合には、引き出しに入れておく程度の注意義務は、一般に要求されるといえるでしょう。「ちょっと前までここにあったのですが…」という対応では、注意義務を果たしてはいないように思われます。コンビニで、どのように保管していたのか事情を尋ねてみる必要があります。

 コンビニが注意義務を果たしていない場合には、債務不履行責任として損害賠償請求が可能です。もっとも、損害額については、定期入れがあなたに返却されていた場合には、あなたはその価格の5%から20%の報労金を払うことになっていたのですから(遺失物法4条)、その分を差引いた額とすべきでしょう。


 なお、平成18年に成立した新遺失物法では、施設占有者は、遺失物を遺失者に返還するまで、「善良な管理者の注意義務」をもって扱うことと規定されました(同法15条)。この法律は平成19年12月までに施行されます。

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