トップページ > なっとく法律相談 > 法律改正前に犯した罪の時効はどうなる?
なっとく法律相談 2007年4月24日 更新
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知人が、3年半ほど前に出会い系サイトで、恋人を募集していた自称女子高生にメールを送り、金額を示して会う約束をしたそうです。しかし、彼は遊びのつもりでメールを送っただけで、実際に会ってはいないそうです。
児童買春等の罪に問われることはあるのでしょうか? 改正前の児童買春・児童ポルノ禁止法に従えば公訴時効が成立しているはずです。法律の改正があった場合、改正前後どちらの法律にしたがうのでしょうか?
(30代:男性)
児童買春・児童ポルノ禁止法は、平成11年11月1日に施行され、平成16年7月8日には、同法違反の罪について罰則が強化されています。児童買春の罪については、刑が3年以下の懲役から5年以下の懲役へと引き上げられています。それに伴い、公訴時効の期間も自動的に3年から5年に延長になります(刑事訴訟法250条)。公訴時効とは、犯罪から一定の期間が過ぎると、刑事訴追されなくなる制度のことです。
あなたの知人が出会い系サイトを利用したのは今から3年半前とのことですので、刑が重くなる前のことになります。このような場合の公訴時効を検討するためには、次の2点が問題となります。
まず、(2)については、最高裁によると、犯罪後の法律で刑が変更された場合の公訴時効の期間は、その犯罪に適用される法定刑によって定まるとされています。
そこで、次に、どちらの刑が適用されるのか、(1)の問題となります。刑法6条により、犯罪後の法律によって刑の変更があったときは、軽いほうの刑が適用されます。刑の変更のうち、本件のように刑が重くなった場合に、犯罪行為時の(軽いほうの)刑が適用されるのは、いわゆる事後法の禁止の要請といえます。
本件では、変更前の軽いほうの法定刑(3年以下の懲役)が適用され、その結果、公訴時効の期間もそれを基準として条文が適用され、3年となります(刑事訴訟法250条6号)。
もっとも、児童買春の罪として処罰されるのは、児童買春をしたもの、すなわち、児童(18才未満の者)に対して、性交あるいは性交類似の行為等をした者に限られます。あなたの知人は、約束をしたのみですので、この法律に違反していません。
しかし、平成15年9月13日に、出会い系サイト規正法が施行されています。この法律では、インターネット異性紹介事業を利用して、児童を性交等の相手方となるように誘引する行為が処罰されます。実際に交際しなくても誘っただけで罰せられることになりました。
仮に、あなたの知人の行為がこれにあたるとしても、その行為が法律制定以前になされたものであれば、処罰されません。これが、事後法禁止の原則です。実行のときに適法であった行為については、刑事上の責任を問われないというものです(憲法39条)。
この法律制定後に行為がなされた場合は、この法律が適用されますが、法定刑は100万円以下の罰金ですので、3年の公訴時効が完成しており、訴追されません(刑事訴訟法250条6号)。
集計期間: 2008年8月24日-8月30日