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なっとく法律相談  2007年5月 1日 更新

着工されていない工事をキャンセルしたいのですが・・

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Q.

 屋根の塗装工事の契約を、昨年、800,000円で交わしました。工事はまだ開始されていません。しかし、その後、他の業者で家の増改築をする予定がでてきました。その中には屋根の改造工事も含まれています。したがって、屋根の塗装工事契約をキャンセルしたいのですが、できるでしょうか。キャンセルできない場合どんな責があるでしょうか。

(50代:男性)

A.

 当初の屋根の塗装工事に関する契約は、民法632条以下で規定される請負契約にあたります。当事者の一方がある仕事の完成を約束し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を与えることを約束する契約です。

 民法641条によると、請負人が仕事を完成させるまでは、注文者はいつでも契約を解除することができます。不要になった仕事を続けさせる必要はないからです。したがって、屋根の塗装工事契約を解除することは可能です。しかし、その際、相手方に損害が発生していれば損害を賠償する責任を負います。損害賠償の範囲には、支出した費用のほか、仕事を完成すれば得られたであろう利益が含まれます。

 本件では、工事自体まだ開始されていませんが、直前の解除となれば、手配していた職人への日当等も必要となるかもしれません。

 なお、消費者の住居をセールスマンが訪問して契約を行う「訪問販売」による契約にあたる場合には、特定商取引法が適用されます。この法律では、特定の取引類型を対象にトラブル防止のための規制がなされています。契約を解除した場合の損害賠償額を制限する規定もあります(法10条)。


 法律の規定はこのようになっていますが、もう一度、契約書を確認してみてください。解除についての規定があるかもしれません。そのうえで、損害賠償を支払ってでも解除をしたほうがよいかどうか判断してください


 契約は当事者間の信頼関係によって成り立っているものです。一旦契約している以上、どうしても解除をしなくてはならない理由を説明するとともに、たとえあなたが損害を賠償するとしても、相手方に生ずる損害を少しでも軽減するような誠意をみせるべきでしょう。

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