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なっとく法律相談  2007年5月 7日 更新

私の名前を使って不倫する友人。私自身に罪はある?

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Q.

 友人が不倫をしています。不倫相手とのメールに私の名前を使っているようです。私は、名前を使っていいと言ったわけではありませんが、結果的に黙認した形になっています。友人の配偶者が不倫の事実を知った場合、その配偶者から私自身が訴えられ、不倫の幇助として慰謝料を請求される可能性はありますか?

(40代:女性)

A.

 配偶者の不倫相手に対しては、他方配偶者からの慰謝料の請求が認められてきました(民法710条)。したがって、あなたの友人の不倫相手は、友人の夫から訴えられた場合には、不法行為に基づく損害賠償として慰謝料を支払う義務が生ずるでしょう。

 他方配偶者から、不倫をしている配偶者自身に対する慰謝料の請求も、不法行為の要件を満たす限り可能ですが、通常は、離婚の際に問題となります。


 幇助とは、他人の不法行為を手助けして実行を容易にすることです。民法719条2項により、行為者を幇助した者は共同行為者とみなされ、共同不法行為として連帯責任を負います(民法719条1項)。

 仮に、あなたが不倫の幇助の責任を負うとしても、あなたが訴えられるのは、友人の不倫相手(あるいは友人自身)が訴えられた場合の共同不法行為者としてということになります。

 しかし、あなたに不倫の幇助の責任が認められるでしょうか。あなたは、自分の名前が使われているのを黙認したのみで、積極的に行為をしたわけではありません。このように、何もしないことを「不作為」といいます。ここでの問題点は、不作為による幇助の責任です。

 刑法では、不作為犯として処罰されるためには、「作為義務」が必要とされます。何かをすべき義務があったのにしなかった、といえることが必要です。民事裁判でも不作為の不法行為責任が問題となった事例で、作為義務の存否が問題とされています。

 そして、不作為が幇助として問題となる場合には、行為者の行為を阻止する義務があったかどうかが問題となります。

 あなたには、友人の不倫を阻止する義務があったといえるでしょうか。

 現在の法体系のもとで、不倫は違法という評価を受けますが、およそ違法行為を発見したら誰もがそれを阻止しなくてはならないわけではありません。阻止義務のような「作為義務」が認められるのは、契約や法律によって法的に義務を負う場合や、不作為以前になんらかの行為(先行行為)をしていた場合に限られます。ご相談文からは、あなたには友人の不倫を阻止する義務は認められないように思います。


 したがって、あなたが幇助の責任を負うとすれば、積極的に作為行為を行い、それが不倫を容易にしたと認められる場合に限られます。

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