トップページ > なっとく法律相談 > 盗難にあった郵便貯金通帳で、お金を引き出されたが…
なっとく法律相談 2001年1月29日 更新
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郵便局で別人により私にとっては高額な預金をおろされました。通帳は家で盗まれたものです。届け印、カードは盗まれていません。
郵政監察室で記入した払戻しの用紙を見せてもらいましたが、印鑑は似せた印鑑。
でもあきらかに違う、シャチハタ印のような物で、インクも顔料系のあかっぽいにじんだもの。 普通の印鑑を押していたらつかない二重枠がついて、素人が見てもおかしいと思われる印鑑でおろされていました。
それなのに手順は間違ってないということだけを主張して、どう見ても印鑑の確認を怠ったとしか思えないのに、郵便局の過ちを保護しているようにしか思えません。
何人ものお客を受けているからということで、惰性で見ていたとしか思えないのですが、これは、明らかに郵便局のミスです。
この責任は誰がとるんですか?当然郵便局のミスなので、全額弁償していただけるものではないでしょうか?
(30代前半:男性)
最近、コピー技術の進歩により、パソコンのスキャナーを利用して、通帳に押された印影をとりこむなどして、印鑑を偽造し、現金を引き出す事件が増加しています。
盗まれたのは通帳だけで、印鑑は盗まれていないから、と安心はできないわけです。
法律論としては、「債権の準占有者」(民法478条)に対する弁済として有効かどうかの問題です。
債権の準占有者とは、債権者らしい外観を呈する者をいい、この者に善意無過失で支払えば、支払い自体が有効となってしまいます。そうなると、通帳を盗まれた者は、盗んだ本人に対して請求するしかなくなるわけです。
こうした事件については、戦前の事案ですが、裁判所は、「郵便貯金通帳の印鑑とその貯金払戻金受領証に押印された偽造印が酷似し、郵便局員が相当の注意を用いてもその相違を発見できず、正当な請求であることを疑うに足りる事情のないときは、払い戻しは有効」との判断を行っています。
実際には、こうした郵便局員の過失を認めることは難しいと思われますが、あなたが速かに郵便局に盗難の届出をしたにもかかわらず支払われたような場合には、郵便局員の過失を認めることができるでしょう。
したがって、もう少し詳しい事情を添えて、地元の弁護士会の法律相談に行ってみるとよいでしょう。
同種の事件が多発しているため、通帳に印影を押す(副印鑑)代わりに、印影をコンピューターに登録してどの支店でも印影を確認できるシステムを導入する銀行が増えています。
また、こうしたシステムを導入しても、希望によって副印鑑を押すようにしている銀行もありますが、その場合、利用者が被害に遭わないように、スキャナーなどで読み取れないようにしたシールを副印鑑の上に重ねて貼るなどの対策を実施している銀行もあるようです。
今後は、こうしたシステムを導入している金融機関を利用することも検討されるとよいと思います。
集計期間: 2008年8月24日-8月30日
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