トップページ > なっとく法律相談 > 所有者の変更に伴い退去!?
なっとく法律相談 2007年5月24日 更新
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2年契約で店舗を借り、飲食店を経営しております。この度、家主さんから契約期間満了6ヶ月前の通知が届き、契約は更新しないので今年10月末で退去してくださいとのことでした。店舗の所有者が変わるそうで、次の家主さんが私の店舗の撤退を望まれているようです。契約時に、「2年後は年間契約更新です」と伺って長期のつもりで借りたので、経費もつぎ込んでいます。
契約を更新してもらうことはできないのでしょうか?(話し合いでは無理だったので)どうしても退去となった場合、現在の家主さんか、新しい家主さんに、費用や経費等を請求することは可能でしょうか?
(40代:女性)
建物の賃貸借については、借地借家法により借主の地位の保護がはかられています。同法31条1項によると、建物の「引渡し」があった場合には、借家人は、その後その建物の所有権を取得した者に対して、賃借権を主張できます。「引渡し」のみでこのような効力が認められるのは、建物を買おうとする者が建物を調べれば借家人のいることが分かるからです。
あなたの場合、建物の引渡しを受けている以上、現在の家主とのあいだの契約をそのまま新しい家主に主張することができます。従って、家主の交代が契約期間満了の前後どちらであるかを問わず、ここでは同じ「家主」として、契約の更新を主張できるかどうか検討してみましょう。
本件の契約のように、契約期間の定めのある建物賃貸借は、期間満了の1年前から6ヶ月前までに更新しない旨の通知をしないと、契約は更新したものとみなされます(法26条1項)。現在の家主からあなたへ送られた通知は、この規定に沿ったものといえます。
しかし、この通知がなされても、さらに「正当の事由」があると認められない場合には契約更新の拒絶をすることはできません(法28条)。家主が交代するからという理由のみで一方的に更新を拒絶することは、法が許容するところではありません。同条の「正当の事由」があるかどうかの判断にあたっては、次の点を考慮すると規定されています。
過去の裁判例でも、立退料の支払いが「正当の事由」の存否を判断する際に考慮されています。他の事情と総合して判断されますが、この条文を根拠に、立退料も含め交渉されるべきでしょう。2の「従前の経過」等としては、契約時に「2年後は年間契約更新」と言われ更新が予定されていたこと、また、それゆえに店舗を賃借し、経費をつぎ込んできたこと等もあなたに有利な事情となります。
なお、平成12年の改正で、定期建物賃貸借が規定されました(法38条)。この契約による場合は、契約の更新はありませんが、公正証書等の書面による契約が必要です。また、あらかじめ、更新のないことを書面により説明することが義務付けられています。本件はこれにあたらないと思われますが、契約時に交わされた書面を一度ご確認ください。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日