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なっとく法律相談  2007年6月 7日 更新

一度申し込んだ検定試験はキャンセルできない!?

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Q.

 タイ語の検定試験を受験するため、試験を主催する協会に5500円支払いました。しかし、急用ができたため受験することができなくなってしまいました。そこで受験料の返還を要望したのですが、拒否されました。「受験料の返還は理由によらず一切応じられない」とパンフレットに明記してあるからだそうです。 

 その文章は以下の通りです。1.検定申し込み後の取り消しは一切受け付けません。2.試験の中止に伴う受験者の費用については一切の責任を負いません。

 このように書いてあった場合には、事前に取消す場合でも費用は返してもらえないのでしょうか。受験日は6月17日で、協会に返還の要望をした日は5月30日でした。

(60代:男性)

A.

 あなたと協会が結んだ契約は、「受験者は受験費用を支払う。検定協会は適正な試験運営をし、一定の成績(100点満点の70点以上など)を収めた者には合格を認定し、証書を発行する」というもので、民法典に特に規定のない、無名契約と考えられます。

 そこで、双務契約(契約当事者がお互いに債務を負う)の一種としてみると、試験日までにキャンセルしたのですから、協会は受験者を受験させるために何らかの債務を履行したわけではありません。そうだとすると、受験料も返してもらえそうに思えます。

 しかし、受験者は、受験の申し込みをしたことにより、契約の申し込みをしたことになるのです。それを相手方が受けたことにより、両者の間には契約が有効に成立します。

 契約の成立により、受験させる側は受験番号を割り振って席を確保し、無事受験させるという債務を負います。たしかに受験日はまだ到来していませんが、相手方は契約に対する期待を持って、準備行為をしたりします。それは契約の成立したときからすでに開始されているので、いったん契約が成立した以上、一方当事者が任意に解除することはできません。

 ただ、契約の性質上、一方当事者が望まないのに契約内容を実現させることが無意味である場合があります。検定試験の受験などはその例で、受験者が望まないのに無理やり受験させる意味はありません。

 しかし、それは「受験することができる」という権利(債権)を任意で行使しないというだけのことで、受験料を支払うという義務(債務)までがなくなり、当然に受験料を返してもらえることにはならないのです。

 ご参考までに、いわゆる「滑り止め」受験において、支払った授業料については返還が認められるようになってきました。「授業を提供する」という、債務の履行が継続的に期待される契約の性質に考慮したものでしょう。しかし、判例においても、入学金の返還までを認めたわけではありません。

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