トップページ > なっとく法律相談 > 他人の敷地を勝手に掘り起こしていいの?!
なっとく法律相談 2007年6月11日 更新
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法律クイズ 第20回「お寺の境内から見つかったお金は誰の物?」についての質問です。
お寺の敷地を勝手に掘り起こしたりしていいのでしょうか。掘り起こす権利の無い人が埋蔵物の権利を取得するのでしょうか。
これが個人の庭だったらダメで、お寺ならOKなのでしょうか。他人所有の竹やぶで筍を掘った場合、2本掘れば1本は権利取得できるのでしょうか。
よく分かりませんのですっきりさせていただけると助かります。
(40代:女性?)
法律クイズ20回は、「埋蔵物発見」という規定(民法241条)についての質問でした。「埋蔵物発見」は、所有権の取得原因として、無主物先占(239条1項)、家畜外動物の取得(195条)、遺失物拾得(240条)とともに規定されているものです。
所有権は、物を全面的に支配できる権利の形態で、所有者は物を自由に使用し、収益し、処分することができます(206条参照)。土地であれば、家を建てようと(使用)、借地として他人に貸そうと(収益)、売ってしまおうと(処分)、自由にすることが認められます。
土地所有権の範囲は、その土地の上下に及ぶ(207条)とされていますから、地中にある物の性質によっては、土地に付合(242条)、またはその構成部分になったものとして、所有権が認められる場合もあるでしょう。また、土地所有者の支配の及ぶ範囲にあり、所有者が占有(180条)しているとも考えられます。
しかし、地中に埋もれているというだけでは、当然にその土地の所有権の対象とはいえません。所有者が埋めた物ではない金塊が発見されたらどうでしょう。
このように、所有者が誰であるか容易に識別できない物が発見された場合に、土地所有者と発見者で折半させようというのが埋蔵物発見規定の趣旨と考えられます。
では、埋蔵物を発見するため、他人の土地を自由に掘り返してもよいのでしょうか。常識で考えても、そんなことが認められるわけはありません。そのような行為は他人の所有権を侵害するもので、刑法上も住居侵入(刑法130条前段)、器物損壊(261条)にあたることがあります。
しかし、海、山、公園や寺社の境内など、誰かの所有する土地ではあるがその性質上自由に立ち入りが認められる場所において、立入った者が偶々埋蔵物を発見した場合や、地上権者、借地人などが土地を均していて埋蔵物を発見した場合などでは、土地を掘り返す行為自体には原則として違法性が認められず、他方、発見された物の帰属が問題となり、埋蔵物発見規定の処理するところとなるのです。
なお、竹やぶにでた筍は、その土地の構成部分であり土地所有者のものであるか、または地上権などの権限に基づいて竹を植えた者の所有物です。他人が無断で伐採することはできませんし、伐採した者の所有物ともなりえません。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日