トップページ > なっとく法律相談 > 携帯のメモリーを削除された!これは罪にならないの?
なっとく法律相談 2007年7月 9日 更新
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今同棲している彼がいます。その彼に私が寝ている間に携帯を見られ、登録してある番号とアドレスを少し変えて連絡が取れないようにされました。何件かのメモリーは完全に消されていました。これは法的に罪にはなりませんか?
(20代:女性)
まず、承諾なく他人の携帯電話を見る行為は、個人のプライバシーを侵害する可能性があります。しかし、刑法は、無承諾で携帯電話を見る行為を処罰するための規定を置いていません。刑法には、その行為を犯罪とし,刑罰を科する旨を定めた成文の法律がなければ,その行為を処罰することはできないとする原則(罪刑法定主義)があります。したがって、無承諾で携帯電話を見る行為に対して刑事責任を問うことはできません。
次に、携帯電話に登録してある電話番号・アドレスを改ざん・削除して、同データを利用不能にしたとして、私用文書等毀棄罪(刑法259条)が成立するようにも思えます。同罪は、文書・電磁的記録の毀棄行為を処罰の対象としています。毀棄とは、本来の効用を害する行為をいいます。携帯電話に登録してある電話番号・アドレスの改ざん・削除行為は、携帯電話内のデータを利用不能にしており、本来の効用を害する行為といえるため、刑法上、毀棄行為と評価できます。しかし、同罪は、「権利又は義務に関する他人の文書又は電磁的記録」を処罰の対象としており、携帯電話内のデータを改ざん・削除という毀棄行為を処罰の対象としていません。
また、携帯電話内のデータを損壊したとして、器物損壊罪(刑法261条)が成立するようにも思えます。しかし、同罪は、「他人の物の損壊」を処罰の対象としています。「物」には、電磁的記録の記録媒体(携帯電話自体)は含まれますが、その本体たる情報内容自体は含まれないと解されています。もっとも、この問題についての裁判例は、未だないようです。
したがって、彼の刑事責任は、現行法上問うことができないと考えられます。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日
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