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なっとく法律相談  2007年7月17日 更新

32年前に亡くなった祖母の遺産を請求された!

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Q.

 最近、伯母(父の姉)が、32年前に亡くなった祖母の財産を請求してきました。
 伯母によれば、祖母から「2ケ所の土地(現価:1800万円程度)を相続させるからねと言われたことがある」とのことですが、現在の土地名義人は私の父です。父によると、「祖母からそんなことは聞いてないし、財産を分与する気もない」とのことです。
 こんなことを言い出す伯母に対して、私達が出来ることは有るでしょうか?

(30代:男性)

A.

 相手方(あなたの伯母)の主張を法的に構成すれば、「32年前、亡き母(つまり、あなたの祖母)と2ヶ所の土地についての贈与契約を締結した」ということになります。相手方が裁判でこのような主張をしてきた場合、あなた方はどのような主張をすることになるのでしょうか?
 相手方の主張は、「そもそも原所有者(祖母)の死亡によって、2ヶ所の土地所有権は伯母に移転しているので、現在の所有者とされる者(あなたの父)に権利はない」というものです。そこで、「生前に贈与契約が締結された」という事実について、相手方が証明責任を負うことになります。その証明がされない以上、現在の所有関係に変動をきたすことはありません。あなた方としては「生前に贈与契約が締結されたとする事実は存在しない」と主張していくことになるでしょう。

 では、仮に贈与契約の存在が確認されてしまった場合はどのような主張をすることになるのでしょうか?
 本件では、原所有者(祖母)の死亡からすでに32年が経過しています。そこで、あなた方としては取得時効162条)の成立を主張することが考えられます。
 取得時効制度は、永続した事実状態を尊重する点に趣旨があります。取得時効が成立するためには「物を占有した」(162条)ことが必要とされ、占有権は「自己のためにする意思を持って物を『所持』する」ことによって取得するものとされています(180条)。そこで、『所持』とは現実にその物を支配することとされるところ、10年(取得時効の対象物を支配し始めたときに、それが自分の所有物であると過失なく信じていた場合)または20年間(取得時効の対象物を支配し始めたときに、それが他人の所有物であると知っていたか、あるいは過失によって自分の所有物であると信じてしまっていた場合)、永続して2ヶ所の土地を現実に支配してきたことの証明責任はあなた方が負担することになります。

 以上から、本件が裁判となる場合に備え、(1)贈与契約の存在および(2)祖母死亡後の土地の支配関係について調査しておくことが、あなた方にとって有益ではないかと思われます。

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