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なっとく法律相談  2007年9月 3日 更新

自転車の窃盗・横領等で3度捕まりました

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Q.

 先日、自分が通っている大学の駐輪場に止めてあった自転車を、「どうせ学校に戻るんだから、ちょっとくらい借りていいよね」という軽い気持ちで、友人とチョイ乗りしてしまいました。施錠してなかったので、ついついやってしまったのです。
 そして警察官に止められて、交番に連れて行かれ、取調べを受け、窃盗罪だと言われてしまいました。調書等を取られ、「後日また来るように」ということで、その日は返してもらえましたが、とても怖い気持ちでいっぱいです。
 実は、中学1年の時にも友人と自転車を盗み(これは私がペンチで鍵を壊しました)、そのときも窃盗罪で補導されています。
 そして中学2年の頃、今度は公園に捨てられていた(と勝手に判断してしまいました)自転車に乗り、占有物離脱物横領罪で補導され、家庭裁判所に出頭しました。
 そしてまた今回の事件を起こしてしまいました。もう3回も自転車を盗んでいるので、少年院のような所へ送致されるのではと心配でたまりません。
 今年で19歳になり、大学にも進学できたのに、また同じ過ちを犯してしまい、親に迷惑をかけてしまった事をとても恥ずかしく思っています。
 やはりもう少年院へ行くしかないのでしょうか?

(19歳:男性)

A.

 今度が3回目の窃盗事件だということですが、刑事未成年であった時期に起こした2件と今回の窃盗では、刑事責任の評価が全く異なることに注意してください。

 刑法41条は、「14歳に満たない者の行為は、罰しない」と規定しています。理由は、14歳未満の者は責任無能力者であり、そもそも刑事責任を問うことができないと刑法が考えていることによります。
 もちろん、人の精神的成熟度には個人差があるのですが、年少者の可塑性(今は未熟であるが、将来的に人格を形成し変化していく可能性があるということ)に鑑みて、あえて刑罰を科すことを控えたものと考えられています。

 今回も未成年であるため、刑法ではなく少年法が適用され、年少者であることに配慮した手続に乗り、家庭裁判所によって処分が決定されます。しかし、死刑・懲役・禁錮にあたる犯罪行為で家庭裁判所が刑事裁判相当と認めた場合には、事件が検察官に送り返され(逆送)、通常の刑事手続によって処分が決定されることになります。
 逆送されるかどうかは家庭裁判所の判断によるため、今回の犯罪が逆送されるかについては何とも申し上げられません。しかし、最近の傾向として、少年が起こした犯罪でも厳しく処分される傾向にあることは明らかです。

 ただ、今回の事件について主張すべき点があるとしたら、「一時借用するだけで、決して盗むつもりはなかった」ということでしょう。
 実は、犯罪が成立するには、犯罪にあたる行為(刑法の条文に規定されている行為)の客観面と主観面が共に備わることが必要です。たとえば、今回の事件で言えば、「他人の自転車を勝手に乗っていった」という事実が客観面で、「一時借りるつもりだった」という内心が主観面です。
 そして、窃盗罪などの財産犯罪では、主観的に(1)他人を排除して所有者として振舞う意思(売り飛ばすなど)と、(2)当該財物をその経済的用法に従って利用する意思、の2点が必要であり、この両方が備わったときにはじめて「盗むつもり」だったといえることになるとされているのです。
 今回の事件で、あなたは、(2)「足代わりに乗り回す」という自転車の経済的用法に従って利用する意思は認められるものの、(1)短時間乗り回した後は必ず返すつもりだったので、所有者として振舞う意思まではなかった、ということになります。
 そこで、この点を主張すれば、他人の自転車を無断で借用することは決してほめられた行為ではないにしても、刑事責任を問われるまでの行為ではない(つまり窃盗罪は成立しない)と評価されることになります。

 もちろん、主観的要素の有無も客観的要素と相まって判断されるので、主張した事実どおりに認定されるとは限りません。
 しかし、短時間の借用後に返すつもりだったのならば、今回のあなたの行為に窃盗罪は成立しません。

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