トップページ > なっとく法律相談 > 別れた彼女が中絶し、多額の請求をされた!
なっとく法律相談 2007年10月 1日 更新
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付き合っていた未成年の彼女と別れた後に妊娠がわかり、中絶をすることになりました。ところが、彼女の母親から、医療費と慰謝料、娘の看病の為に休んだ仕事の賃金分、計120万円を請求されました。
母親いわく、あなたは「結婚をする、妊娠したら産んでよい」などと言ったのだから、婚約が成立している。これは婚約不履行にあたる、というのです。
相手から「結婚したいね」「一緒に住みたいね」と言われたら、「きみとはそんなことまで考えてない」なんてバカ正直に答える人はいないと思います。「いつかそうなれたら素敵だね」とか言ったことは確かです。
しかし、そんなことで婚約したことになってしまうのでしょうか。合意の上で付き合い、性交渉を持ったのだから、彼女にも全く責任がないわけではないと思うのです。
どこまで支払い義務があるのか、これからどのようにしたらよいのかアドバイスをお願いいたします。
(20代:男性)
相手が請求している医療費、慰謝料、母親の休業分の賃金のうち、医療費と慰謝料については請求が認められる可能性が高いと考えられます。ただ、特に慰謝料については、相手の請求金額が妥当であるかどうかは分かりません。
芸能人の離婚報道などの影響か、1億2億という高額な慰謝料を請求できると勘違いしている向きが多いようです。しかし、一般に認められる慰謝料は、たとえば不倫で離婚に至ったような場合でも、2,300万円どまりであることも多いのです。慰謝料は当事者の社会的地位・経済的状態などに左右されるところが大きいといえます。
本件では、あなた方当事者の社会的地位、経済的状態が明らかではありませんが、通常の妊娠初期の中絶で、手術も成功したということなら、それほど高額になるものではないと考えられます。
また、母親の休業補償については、肉親の付き添いが必要なほどの症状であったかどうかによります。しかし、通常の中絶では、術後肉親の付き添いが必要な場合は少ないと思われます。それなら、医師も入院を勧めるはずだからです。母親として心配だから付き添っただけであるなら、あなたに支払義務はないと考えてよいでしょう。
母親にとっては酷なようですが、一つの事故・事件から発生する損害のすべてを加害者に負担させることは合理的ではありません。そこで、どこかで線引きをすることになるのですが、実務では、事故と相当因果関係が認められる範囲で責任を認める手法が採られているのです。
最後に、婚約が成立していたかどうかの問題です。成立していた場合、あなたの責任は重くなるといえますが、それは主として慰謝料の算定に関してであって、医療費や母親の休業補償には直接関係しません。
婚約が成立していたかは、ご相談文からは判断できません。しかし、男女の間であからさまに真実を言うことが憚られる場合があるのはおっしゃるとおりです。実務も、女性を口説くのに「必ず結婚する」といった場合に、婚姻の申込みや婚約の成立とは認めていません。
今後の交渉方法ですが、相手が感情的になっていることから、まず冷静に対応することを心がけてください。後日深刻な紛争となったときに備えて、できる限り書面でやり取りするようにします。メールは保存しておきます。
もし、相手が本気で請求するつもりなら、弁護士を立てる、内容証明を送ってくるなど、法的な手段に出てくるはずです。それをせず、単に口頭やメールで請求してくるだけなら、今の時点では請求されるままに急いで支払う必要はないと考えます。
請求額が計120万円とのことですが、損害額は請求する側に証明する責任があるので、まずその内訳を説明してもらってください。
たとえば医療費なら、病院が出した領収書、請求書などの添付を求めるようにします。できない場合、支払う義務はありません。
また、あなたと別れてから妊娠が分かったということから、妊娠の時期に不自然な点がなかったかも確認して損はないでしょう。中絶同意書にサインした当事者として、医師に直接説明を求めることもできるはずです。
母親の休業補償についても、勤め先の証明書を求めることができます。その証明ができない場合は、支払義務があるない以前の問題で、取り合う必要は全くありません。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日
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