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なっとく法律相談  2007年10月 9日 更新

行方不明の夫の名義変更と離婚

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Q.

 私の夫は4年前に家を出ていき、行方が分からなくなりました。家を出る2年前から夫は仕事をせず、家に全くお金を入れてくれませんでした。このような夫と離婚したいのですが、行方不明の夫と離婚することはできるのでしょうか。また、ローン返済中(夫が債務者)の夫名義の家を私の単独名義に移すことはできないのでしょうか。

(50代:女性)

A.

一、離婚について

 行方不明の夫と離婚する方法として裁判離婚という制度があります(民法770条)。裁判離婚が認められるためには、一定の要件を満たす必要があります。夫が家を出る前から仕事をせず家にお金を入れていないことや、あなたに居所を知らせずに家を出たことからすると、「悪意の遺棄」(民法770条1項2号)の要件を満たします。また、夫が現在からさかのぼって3年以上生死不明であれば、「3年間の生死不明」という要件を満たします。
 したがって、あなたは、裁判離婚の訴えを地方裁判所に提起すれば、夫と離婚することができます(民法770条1項、家事審判法18条2項但書)。

二、家の名義について

 家の名義を夫からあなた単独名義に移転するためには、あなたが家の所有権全部を取得する必要があります。
 まず、離婚に伴う財産分与(離婚した夫婦の一方が他方に対して財産を分与すること:民法771条768条家事審判法9条1項乙類5号)として、あなたが家の所有権を取得する方法があります。もっとも、夫に収入があった頃に、夫の収入が家のローン返済に一部貢献していたということが考えられます。そうすると、あなたが家の所有権を取得する代わりに、夫に一定の金銭を支払う必要があるかもしれません。
 次に、家が婚姻中に購入されたものであれば、家は夫とあなたの共有財産と考えられます(民法762条2項:最判昭和34年7月14日)。仮に、夫が家の持分を放棄したと考えられる事情があれば、あなたは、夫の持分を取得することができます(民法255条)。この場合、あなたは、夫に金銭を支払わずに家の全部を所有することができます。
 このように、あなたが家の所有権全部を取得すれば、家の名義を夫からあなた単独名義に移転することができます。
 もっとも、家の名義を夫からあなた単独名義に移転する場合、ローン契約の内容によっては何らかの手続が必要になるかもしれません。したがって、ローン会社に事情を話し事前に協議することをお勧めします。

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