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なっとく法律相談  2007年10月15日 更新

遺贈と死因贈与の違いは?

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Q.

 法律相談618の内容で、説例では「遺贈」、回答で引用している判例では「死因贈与」という表現が出てきますが、両者は、法律的にどのような違いがあるのでしょうか。

(30代:男性)

A.

 「遺贈」とは、遺言よってする贈与のことをいいます(民法964条)。一方、「死因贈与」とは、贈与する者の死亡によって効力が生じる生前の財産の贈与契約ことをいいます(民法554条)。
 「遺贈」と「死因贈与」は、いずれも「贈与」の一種であるという部分で共通します。「贈与」とは、自らの財産を無償で他人に与えることをいいます(民法549条)。贈与には他に、書面によらない贈与(民法550条)・定期贈与(定期的に給付する贈与:民法552条)・負担付贈与(贈与を受ける者が親の面倒をみるなどの負担を負う贈与:民法553条)があります。
 また、「遺贈」と「死因贈与」は、贈与する者の死亡によって贈与の効力が生じる点でも共通します。
 では、「遺贈」と「死因贈与」は、どのような部分で異なるのでしょうか。
 第1に、それらを成立させるために必要な行為が異なります。すなわち、「遺贈」は、受贈者(贈与を受ける者)の意思に関係なく、贈与者(贈与する者)が一方的に意思を示せば足りる(単独行為)のに対し、「死因贈与」は、贈与者と受贈者との間で合意(契約)をする必要があります(遺贈以外の贈与に共通します)。
 第2に、「遺贈」は、遺言によってなされるため、書面(遺言書)の作成が必要になります(民法967条976条から979条)。これに対して、「死因贈与」は、必ずしも書面によってする必要がありません(最判昭和32年5月21日)。
 第3に、贈与の効力を撤回(否定)したいとき、「遺贈」は書面によっていつでも自由に撤回することができます(民法1022条)。これに対して、「死因贈与」は必ずしも書面によって撤回する必要がありません(最判昭和47年5月25日)が、撤回が制限されることがあります(最判昭和57年4月30日など)。
 このように、「遺贈」と「死因贈与」は、共通する部分と異なる部分があり、似て非なるものといえます。
 「遺贈」は、遺言という原則として受贈者に公開されないものによってなされるので、贈与の内容を知られたくない場合などに使用されます。これに対し、「死因贈与」は、契約によってなされるため、受贈者に贈与の内容を知らせるメリットがある場合などに使用されます。

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