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なっとく法律相談  2007年11月12日 更新

借金回収の名目で定期貯金を無断解約された!

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Q.

 「将来仕事が見つかったら返す」という約束で、親からお金を借りていました。
 ある日、「あなたの通帳を作っておいてあげる」というので運転免許証を預けたところ、それを使って、私名義の定期預金を全額解約されてしまいました。
 親は、「貸した金を取り返しただけだ」と開き直っています。そんな言い分が通るのでしょうか。また、このことを理由に、親に慰謝料を請求できないでしょうか。

(?代:男性)

A.

 第一に、借りたお金も、返済期限が到来するまでは、返済する義務はありません。では、あなたの借金は返済期限が到来しているでしょうか。
「将来仕事が見つかったら返す」という約束は、「出世払い契約」といわれているものです。親子など、特に懇意、密接な関係においては、「返せるだけの資力ができたら返す(資力がないままなら返さなくてもよい)」との黙示の合意がなされたとみることもできます。しかし、通常は、「いつか分からないけれど、資力ができたときには必ず返さなければならない」という意味に解釈されています。
いずれにせよ、あなたの借金は返済期限が到来していないということになります。ですから、親は「返せ」と請求することもできないし、ましてや勝手に定期預金を解約することが許されるはずがありません。
また、たとえ返済期限が到来していたとしても、金を返してもらうためには、民事訴訟法民事執行法等の法律による手続を踏まなければなりません。自力救済は禁止されているのです。
そこで、あなたは不当利得返還請求権を行使して、「定期預金相当額の金を返せ」と請求することができます。

また、あなたの親の行為は、民法上の不法行為(709条)にあたります。したがって、精神的損害が発生したとして、慰謝料を請求することはできます。
しかし、「慰謝料として○○円請求できるんだぞ。法律相談で教えてもらったんだから間違いない。」と口で言うだけでは、何の効力もありません。本気で慰謝料を払わせたいならば、慰謝料請求権が存在することを、裁判所に認めてもらわなければなりません。民事訴訟を提起するひつようがあります。
ただ、そのためには、あなた自身が、訴状を作成したり、訴えを提起するための費用を払ったり、証拠を集めたりしなければなりません。弁護士を頼めば、報酬も払わなければなりません。そのような負担を負う決意があるのなら、訴えを起こすこと自体は可能である、ということです。

さらに、親の行為は、刑法上の詐欺罪(246条)にあたります。「通帳を作る」と欺いてあなたに通帳を交付させ、預金額相当の金員を得た結果、あなたにはそれだけの損害が発生しているからです。
ただ、これも警察に告訴することは現実味がありません。「お家で話し合ってください」と言われるのがオチだと思われます。あなたがいまだに親のすねをかじっているとすれば、なおさらです。

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