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なっとく法律相談  2007年11月26日 更新

1年前に購入した法外な価格の商品、契約解除できない?

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Q.

 2006年12月、妻が本人の名義で、訪問販売業者と「掃除機」の購入契約を結んでいたことが分かりました。先日、偶然に妻の部屋で掃除機と掃除機の売買契約書を見つけたのですが、契約内容をみて驚きました。35万円以上もする高価なもの、しかも業者指定のクレジット会社と72回払いのローンが組まれています。
 業者がどのような説明をしたのか、合意の下にされた契約なのか、詳細は分かりませんが、一般的な価値観からみて、掃除機としては法外な価格のような気がするのです。
 1年近く返済をした今でも、契約を解除する方法はあるのでしょうか?「錯誤」その他の理由による解除は、これほど時間が経過しても可能なものでしょうか?

(30代:男性)

A.

 この掃除機の売買契約をなかったことにする方法としては、クーリング・オフ錯誤無効の主張などが考えられます。
 まず、クーリング・オフは、訪問販売や無店舗販売など、消費者がその購入意思を明確になしえないおそれが類型的に高い販売方法について、一定の期間内であれば無償で申し込みの撤回や契約の解除ができるという制度です。
 この制度は、契約を結んだ消費者に再考の機会を与える趣旨のものなので、一定の期間(商品の種類や販売方法によって異なります)内に行使することが必要とされます。
 訪問販売では、「クーリング・オフ妨害解消のための書面」を受領してから8日の間と定められているので(「特定商取引に関する法律第9条)、上記書面が8日以上前に交付されている限り本件では行使できません。

 では、錯誤無効の主張(民法95条)はできるでしょうか。
 錯誤無効の主張に行使期間の定めはありません。したがって、1年近く返済を行った現在でも、主張することは可能です。無効とは「はじめから無かった」という意味ですから、無効主張が認められれば、掃除機を返す代わりに、すでに支払った代金を返してもらうことができます。
 しかし、妻が買おうとしたのは「35万円の掃除機」であり、その結果「その35万円の掃除機」が引き渡されたというのであれば、錯誤は認められません。
 それは、「3万5千円の」を買おうとして、間違って「35万円の」と言ってしまったとか、購入するつもりの商品の隣に広告されていた35万円のものを間違って指定してしまったとか、そのような場合が「錯誤」にあたるとされているからです。
 もっとも、期待したよりも性能が悪い(性能に錯誤があった)として、無効を主張することができないわけではありません。
 しかし、その場合には、その性能が契約目的を達成する上で重要であり、かつ、「・・・という性能がある掃除機」ならば購入するということを、契約時に表示している必要があり、後から「値段の割りに性能が悪い」として無効を主張することはできません。そうでなければ、相手は安心して売買契約を結べないからです。

 また、販売員の説明の仕方等によっては、詐欺取消民法96条)の主張をすることもできます。
 こちらは、詐欺にかかったと分かってから5年以内、詐欺行為から20年以内であれば行使することが認められています(民法126条)から、法律的に可能ではあります。
 しかし、相手の詐欺にあたるべき行為を立証するのが大変困難であることは、言うまでもありません。

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