トップページ > なっとく法律相談 > 無断で駐輪した自転車、勝手に処分して良い?
なっとく法律相談 2007年12月19日 更新
トラックバック(0件) ブックマーク:
(0)
(0)
(0)
子どもが駅近くのマンションの駐輪場に自転車を無断駐輪しました。夕方取りに行った時には、自転車はすでになくなっていました。
そこで、翌日の朝、そのマンションの管理会社に問い合わせてみたところ、「もう処分しました」という答えでした。マンション管理会社に賠償を求めてみましたが、応じてくれません。
「無断駐輪は撤去処分する」旨の掲示・警告もなく処分したというのは、どうしても納得できません。無断駐輪したことは反省していますが、人の物を勝手に処分しても良いのでしょうか。
法律上はマンション管理会社を訴えることができますか。逆に相手がこちらを住居侵入で告訴することができますか。
(40代:女性)
無断駐輪は、自転車を放置することにより、他人の所有地や建物を不法に占有する行為です。この行為により、自転車を放置された人は、その土地や建物の所有権を侵害されていることになります。
所有権はその物を完全に支配できる権利であることから、所有権を侵害された場合、所有者は妨害物の排除を占有者に請求することができます。これを、物権的請求権といいます。
本件では、駐輪場を含むマンションの敷地はマンション住民(賃貸マンションの場合は賃貸人)が所有しており、その管理をマンション管理会社に委託しています。したがって、管理会社は占有者の侵害を排除できることになります。
しかし、所有権が侵害されているからといって、その原因となる物を勝手に処分することは、原則として認められません。このように自己の権利を自ら実現し救済する行為を「自救行為」といいますが、わが国において自救行為は認められていないのです。
では、所有者はどうすればいいのでしょうか。不法占有者に妨害物の排除を請求できるとしても、誰がその費用を負担するかが問題となります。
これは「所有権を侵害する者に対し、いかなる行為を請求できるか」という問題であり、議論がされている難しい問題です。
所有者が自己の負担で排除する(だが、それについて占有者は文句を言えない)に止まるのか、占有者に排除費用の負担まで求められるのか。妥当な結論を得るには具体的事例に応じて考えるべきであり、一律に結論が出る問題ではなさそうです。ただ、勝手に処分することまでは、どのような学説も認めていません。
本件でいえば、無断駐輪車は保管しておくべきで、その所有者に保管費用の負担と持ち帰りを請求するに止まると考えます。無断駐輪が多く、管理上も保管が困難であるならば、「無断駐輪者は処分する」旨の掲示をするべきでしょう。
したがって、相談者は管理会社に対し、中古自転車相当額の賠償を請求できると考えます。
ただし、相手方にも損害が発生していますから、それについては相談者が賠償しなければなりません。具体的には、一日分の自転車保管費用相当額になるでしょう。
なお、無断駐輪の目的で他人の駐輪場に立ち入ることは、正当な理由がない侵入行為として住居侵入罪(130条前段)にあたります。
しかし、たとえ告訴されたとしても、子どもさんが14歳未満の場合は刑事未成年(刑法41条)ですから、警察で説教されるほどのことはあっても、処罰されることはありません。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日