トップページ > なっとく法律相談 > 二次盗難の犯人にはどこまで請求できる?
なっとく法律相談 2007年12月26日 更新
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原付バイクが盗まれたため、警察に被害届けを出しました。2週間ほどして、乗り回していた未成年者が見つかり、警察に引き取りに行ったのですが、様々な改造や塗装がほどこしてありました。
このままでは乗ることもできないため、バイク屋に相談したところ、「修理して乗るとなると10万円以上かかる」と言われました。もともと古かったこともあり、「通常、加害者に対してそこまで高額な損害の請求はできない」とも言われ、渋々廃車にしました。
そして二ヶ月ぐらい過ぎた頃、加害者の保護者から連絡があり「息子はもともと原付を盗んだ犯人ではなく、犯人が盗み出して放置をしていたのを乗り回しただけだ。改造も一切していないので、改造して使用不能になったことについて責任はない」。
このような場合、原付の廃車費用、新たな原付の購入費などは請求できないのでしょうか?
(30代:男性)
バイクが盗まれ、改造されて、使用することができない状態になった場合、誰にどんな請求ができるでしょうか。
まず、請求の内容として、本件では二つ考えられます。一つは改造や塗装に関する賠償。もう一つは、盗まれていた間、所有者である相談者はバイクが利用できなかったので、その間の使用利益(バイクの賃料相当損害金)です。
請求する相手としては、まず、盗んだ犯人が考えられます。この者に対しては、盗まれたことと相当因果関係にある損害の賠償を請求することができます。たとえば、また、バイクをバイク便の仕事に使っていた場合、仕事ができなくなったことに関係のある損害の賠償です(不法行為に基づく損害賠償請求権・民法709条)。
また、乗り回していた期間、その者が得た使用利益の返還が請求できます。犯人は、バイクを使用するという経済的利益を、法律上の理由なく得たことになるので、その利益を所有者に返す義務があるのです(不当利得返還義務・民法704条)。実際に犯人がバイクを乗り回したかどうかは、関係がありません。車庫に隠したままであった場合も請求ができます。
廃車にした費用と中古車購入費用相当額については、廃車にした原因が改造塗装であったことから、改造等をした者にしか請求できません。これについては、以下で検討します。
なお、新車購入額については、交渉の上「お詫び」の意味で負担させることは可能でも、法律上は理由がありません。同じの車種の中古車相当の金額しか請求できません。
しかし、どのような請求にせよ、犯人が分からない場合には請求しようとしてもできません。そこで、犯人から盗んだ者に対して何らかの請求することが考えられます。
乗り回していた未成年者の保護者は、「息子はもともと原付を盗んだ犯人ではなく、犯人が盗み出して放置をしていたのを乗り回しただけだ。改造も一切していないので、そのため使用不能になったことについて責任はない」と主張しています。
これが真実なら、未成年者に対し、改造等に関する請求はできないことになります。酷なようですが、未成年者が改造したという事実が真実であることは、請求者が主張立証しなければなりません。その意味では、バイクを廃車にしてしまったのは残念です。バイクは貴重な物証(物的証拠)だったからです。
したがって、その証明ができない場合、廃車費用、中古車購入相当額について請求することはできないのが原則です。
しかし、何らかの方法で証明ができた場合には、改造のため廃車にせざるを得なかったのですから、元の中古バイク相当の金額の賠償を請求することができます。
ただ、この点について証明できなかったとしても、使用利益に関する請求、すなわち、未成年者が犯人から盗み出してから相談者に返還されるまでの期間の使用利益を請求することはできるのです。
請求額を算定する場合には、レンタカーで借りた場合の一日あたりの費用を基準にすると、妥当な金額を算出できると考えます。
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