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なっとく法律相談  2008年1月 9日 更新

代理人を立てることを相手方に拒否された!

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Q.

 先般、車両物損事故を起こしました。契約している保険会社の担当者を代理人として示談交渉を進めておりましたところ、相手方より「俺は代理人なんて認めない。お前が起こした事故なんだから、おまえと直接交渉する」等と主張し、自宅まで押しかけて来て、玄関先で大騒ぎする始末です。
 保険会社の担当者や弁護士を代理人とすることに相手方が同意しなかった場合は、法的にも代理人は認められないものなのでしょうか。

(40代:男性)

A.

 法律行為等を本人以外の者が本人のために行い、その効果を本人に帰属させる制度を、「代理制度」(民法99条以下)といいます。
 代理制度が認められている理由は、本人が有効な法律行為をすることが法律上認められていないか、認められていても本人以外の者にさせた方が望ましい結果が得られる場合に、本人の活動範囲を補充・拡張する必要があるからです。
 たとえば、痴呆等によって判断能力が低下した制限能力者の法定代理人や、本件相談のように、本人より専門知識に優れた者を代理人として交渉を任せる場合があります。また、会社が代表取締役を代理人とすることも、代理の形態の一例です。
 
 このように、代理制度は本人のために法律上認められている制度であり、第三者が利用を禁ずることはできません。
 なぜなら、代理制度を利用するのは本人であって相手方ではなく、しかもその利用は相手方に何の不利益も及ぼさないからです。交通事故など不法行為の処理も、かえって迅速な対応が可能となり、相手方にも利益となりえます。
 ただ、被害者意識を持っている人は、代理人を立てる行為を「誠意が感じられない」とか「逃げている」ととらえがちです。しかし、それはあくまで感情的な問題であり、代理人との交渉を拒む正当な理由とはなりえません。

 居宅に押しかけるなどして相手の生活の平穏を乱す行為は、民法上の不法行為709条)、刑法上の不退去罪刑法130条後段)にもあたる、違法な行為です。かかる行為を慎むよう相手に注意するとともに、示談交渉については本人が直接行うつもりがないことを、明確に伝えることが必要です。
 また、本人と代理人が別々に対応すると、交渉に混乱を招きます。その上、感情的になっている相手とは、通常は建設的な話し合いが期待できないものです。
 今回の事件については、保険会社の担当者に一任されることをお勧めしたいと思います。

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