トップページ > なっとく法律相談 > 立退き料の請求はできないと契約書に記載がある場合、立退き料は貰えない?
なっとく法律相談 2008年1月10日 更新
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飲食店を経営する両親が、来年の5月までの立退きを要求されています。拒否もできますが、両親は「立退料をもらって別の場所で新たに始めたい」と考えています。契約書には『明渡しに際し、理由の如何を問わず、移転料営業補償等の請求をしないことは勿論、内外装費用の請求、造作諸設備買取請求等一切の請求はできない』との記載があるのですが、両親は立退料をもらえますか?
(20代:男性)
特約中に造作買取請求権行使の禁止条項があることから、あなたの両親は貸主から建物を借りて飲食店を経営されているものと思われます。また、「拒否もできますが」という記述があることから、期限の定めのない建物賃貸借の場合であるか期限の定めがある建物賃貸借の途中解約の場合であると思われます。したがって、以上のことを前提にお答えいたします。
貸主が建物賃貸借契約の解除または更新拒絶をするためには、「正当事由」がなければなりません(借地借家法28条)。ここに言う「正当事由」は(1)貸主および借主が建物の使用を必要とする事情、(2)賃貸借に関する従前の経緯、(3)建物の利用状況および建物の現況、(4)賃貸人から賃借人への財産上の給付〔=立退料〕の申出、を考慮して判断されます。実際の裁判では、「建て替えのため」などの貸主側の必要性から正当事由が認められることは殆どなく、立退きと引換えに(4)「財産上の給付」〔=立退料〕が支払われるか、または、たとえそれが支払われたとしても正当事由が認められない場合もあります。
では、このような「立退料」の支払義務を特約で排除することができるのでしょうか?
この「財産上の給付」は、これを排除する特約を契約で定めたとしても、そのような特約は無効になるとされています(借地借家法30条)。したがって、本件の「移転料営業補償等の請求をしないこと」という特約は無効ですから、あなたの両親は貸主に対し、立退料の支払を請求することができます。
では、立退料はどのようなことを基準に算定されるのでしょうか?
一般に、立退料は(1)借家権の価格、(2)移転費用、(3)営業補償費用、(4)慰謝料、(5)造作買取価格等のそれまで支出してきた費用等を考慮して算定されます。しかし、本件では特約に『内外装費用の請求、造作諸設備買取請求等一切の請求はできない』との記載がありますので〔内外装費〔有益費〕および造作買取請求権(借地借家法33条)を排除する特約は有効であると解されています〕、結局、(1)~(4)を考慮して立退料が算定されることになるものと考えられます。
集計期間: 2008年6月22日-6月28日