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トップページ > なっとく法律相談 > カーテンも閉めずに着替える隣人、見ると犯罪になる?
なっとく法律相談 2008年1月15日 更新
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隣とは庭を挟んで7~8mほど離れています。2階の部屋で夜に仕事をしていると、時々隣の娘さんがカーテンを閉めずに着替えをしているため、当方の窓についているレースのカーテン越しに見えていました。また、夜帰ってきて部屋に入ると同様の光景に出くわすので、電気をつけずに観賞させてもらっていました。先日、隣のお父さんが来て「今度のぞきをしたら警察に訴えるぞ」と言われました。自分の部屋の中から見ていたら、犯罪になるのでしょうか?
(20代:男性)
一般に、「のぞき」には「窃視〔=直接にのぞき見る場合〕」と「盗撮〔=カメラ等で撮影する場合〕」があります。あなたは、隣の娘さんが着替えているところを「電気をつけずに鑑賞」していたのですから、使う言葉はどうあれ、あなたが着替えを窃視していたことに間違いはありません。では、このような「のぞき」は処罰対象とされているのでしょうか?
刑法に処罰規定はありませんが、軽犯罪法に「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」(同法1条23号)は「拘留又は科料に処する」(同法1条本文)という規定があります。したがって、この規定に触れるのであれば、あなたの行った「のぞき」行為は犯罪にあたることになります。そして、同規定に触れるか否かは、結局、あなたに「正当な理由」があったのか否かによることになります。では、あなたの行った「のぞき」に「正当な理由」はあったのでしょうか?
軽犯罪法の規定がのぞき行為を処罰するのは、人のプライバシー権および性的自由を保護するためと考えられます。そこで、同規定にいう「正当な理由」とは、相手のプライバシー権および性的自由をもはや保護に値しないものとする程のものでなければなりません。その典型として考えられるのは「被害者自身による承諾」などですが、本件において、これに準じるような事情が認められるでしょうか?(1)相手がカーテンを引かずに着替えていたこと、(2)のぞき行為があなた自身の部屋で行われたこと、が検討対象になろうかと思われますので、順に検討してみます。
まずは(1)相手がカーテンを引かずに着替えていたことについてですが、夜に部屋を明るくしていれば外から丸見えになるということは経験則上明らかですから、そのような部屋で着替えをしていた隣人には、あなたから着替えを目撃されるという事故の発生について落ち度があったと言えるでしょう。しかし、あなたはそのような偶然を良いことに、さらに進んで、通常人が見られたくないと考える着替えの場面を窃視しています。如何にうっかりカーテンを引き忘れたとはいえ、そのことによって他人にのぞき見られても仕方がないとは通常言えませんので、このような事情があなたに「正当な理由」を与えるとは考えられません。
次に(2)のぞき行為があなた自身の部屋で行われたことについてですが、このような事情もあなたに「正当な理由」を与えるとは考えられません。あなたは「部屋から見える風景を鑑賞するのと同じ」などと主張するかもしれません。しかし、隣人がいる以上、お互いの権利を侵害しないように注意しながら生活しなければならないことは当然のことです。自室からとはいえ、あなたは他人の着替えを「鑑賞しよう」という猥褻な意図をもってのぞきを行っていたのですから、そのような行為が相手のプライバシーおよび性的自由を侵害するものである以上、可罰的であることは疑いようもありません。
以上、あなたが行った「のぞき」は犯罪にあたります。また、犯罪行為によって相手のプライバシーおよび性的自由を侵害したのですから、民事上の損害賠償の対象にもなりえます(民法709条、710条)。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日
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