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なっとく法律相談  2008年2月20日 更新

婚姻届の取消

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Q.

 私には一緒に住むことを前提として部屋を借り、結婚の約束もして式場も決めている相手がいます。
  その相手が、以前付合っていた彼女が未婚で子供(彼との子供ではありません)を産むことになり、「子供の戸籍を自分の戸籍に入れたいから、一時的に結婚してください。そうしないと自分の生んだ子が親の養子になり、自分と義理の兄弟になってしまう」と言われ、その申し立てを私に内緒で受け入れてしまいました。
  未婚でも自分の戸籍に入れることは可能なはずです(彼は知らなかったようですが)。
  彼女の意図が掴めないのですが、どう考えても騙されたとしか思えません。
  ですので、婚姻届の取り消しをしてほしいのですが、どうしたらいいでしょう。

(20代:女性)

A.

 法律上、婚姻は当事者が婚姻する意思を持って婚姻届を提出したときに成立し(民法第739条)、婚姻の届出自体については当事者間に意思の合致があったとしても、それが単に他の目的を達するための手段として仮託されたものにすぎない場合(いわゆる偽装結婚)には、婚姻は無効となります(最高裁昭和44年10月31日判決)。
  そして、あなたの婚約者にもともと元彼女との実質的な意味での婚姻をする意思が無く、単に人助け的な意味合いで元彼女との間に婚姻届を提出したのであれば、「当事者間に婚姻する意思が全く無かった」としてこの婚姻がそもそも無効であったと考えられます。
  となると、戸籍を訂正する必要が生じますが、役所の戸籍を作成する人は当事者に真実婚姻の意思があったのかどうかまで審査することはできません。
  そこで、無効な届出をした本人であるあなたの婚約者は家庭裁判所の許可を得て戸籍の訂正を申請することができます(戸籍法第114条)。
  この戸籍訂正の為の家庭裁判所の許可を得るためには、まず家庭裁判所へ調停の申立をすることになります。この調停の場で、あなたの婚約者と元彼女が同意すれば,家庭裁判所は合意に相当する審判をすることになり,この審判が確定したときは確定判決と同一の効力が生じることになります(家事審判法第23条)。
  ただ、もともと元彼女がどうしてもあなたの婚約者と婚姻をしたいが為に詐欺的に婚姻届を提出した様な場合には、元彼女が婚姻無効の手続きに協力するとは思えません。
  そこで、元彼女が婚姻無効の手続きに協力してくれず、合意に相当する審判が得られなかった場合には、次に家庭裁判所に人事訴訟を提起し、婚姻無効の判決を得る必要があります(人事訴訟法第2条1号)。
  これら審判又は判決が確定した後の手続は,審判書謄本又は判決謄本と確定証明書を添えて戸籍訂正申請を市町村役場へ提出することになります。
  もっとも、これら手続きにより戸籍が無事訂正されても、戸籍上には婚姻届が一旦提出されその後訂正された痕跡が残ってしまいます。戸籍上、婚姻前の何も無かった状態にまで戻したい場合には、戸籍の再製を市町村役場に申し出れば、婚姻前の何も無かった状態にまで戻れます。

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