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なっとく法律相談  2008年3月10日 更新

建物明渡し訴訟の被告は誰になる?

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Q.

 戸建住宅を賃貸しましたが、現在家賃の滞納が10ヶ月間以上続いています。また、契約者は私の承諾無く第三者に転貸借をしていた様で、契約者ではなく第三者が契約当初から入居していたことが最近になって判明しました。この度、滞納家賃の請求と建物明渡しの訴訟をしたいと考えていますが、訴訟相手は誰にすれば良いでしょうか。

A.

 あなたは(1)契約者を被告として賃貸借契約に基づき(民法第601条)滞納家賃及び賃貸借契約終了に基づく建物明渡しを、そして(2)実際の入居者を被告として不法行為に基づく(同法第709条)賃料相当損害金及び所有権に基づく(同法第201条)建物明渡しを請求することになります。この2人を被告とする訴訟は同一の裁判手続きの中で行うことができます。

 まず、滞納家賃の請求を賃貸借契約の当事者に対して賃貸借契約に基づき行うことができる事は当然です。それ以外にも、あなたとの関係で適法な建物占有権限の無い入居者に対しても、入居者があなたに賃料を支払っていないにも関わらずあなたから建物を賃借しているかの如き利益を受けている事から、賃料相当の損害金として滞納家賃と同程度の金額(実務上は同額で請求します)を不法行為に基づき請求することができます。ただ、契約者と入居者の2人に同時に請求することができるからといって、あなたが2重に支払いを受けられる訳ではなく、一方があなたに支払えばその支払った限度でもう一方に対するあなたの請求権は消失します。

 次に、建物明渡しについては、あなたが勝訴判決を得た後に契約者及び入居者が任意に建物を明け渡してくれない場合に、判決(債務名義)により強制執行ができるか(民事執行法第168条1項)、との観点より考える必要があります。

 この点、契約者の家族など契約者に付随して居住している人は契約者を被告とする判決(債務名義)をもって契約者と共に退去させることができますが(最判昭和28年4月24日)、契約者との間に賃貸借(転貸借)契約を締結するなどして当初のあなたと契約者との間の賃貸借契約とは独立した占有権限によって建物を占有している人に対しては、契約者を被告人とする判決(債務名義)では建物から退去させることができませんので、契約者とは別に入居者を被告とする判決(債務名義)が必要となります。
 ですから、あなたは契約者と実際の入居者の2人を被告として訴訟を提起することになります。

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