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なっとく法律相談  2008年3月28日 更新

買収された会社の役員の解雇について

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Q.

 私は、現在親会社が100%出資している子会社の雇われの代表をしていますが、親会社が買収されることになりました。買収の際に親会社・子会社共に役員は解雇になるそうです。こういった時の退職時には退職金等は出ないものなのでしょうか。

(30代:女性)

A.

 あなたは「雇われの代表」をされているとの事ですので、従業員兼務取締役でいらっしゃるかと思いますが、あなたが本来、会社から支給されたであろう退職金は、(1)従業員としての地位に基づく「退職」と、(2)役員としての地位に基づく「退職慰労金」との2種類の性質が合わさった物です。

 この内、(1)の従業員としての地位に基づく「退職金」については、退職金が支給されること及び支給する場合の支給基準等が就業規則、労働協約、労使慣行、労働契約等で定まっていれば、会社が買収された場合であっても会社に対して請求することができます。買収される会社の権利義務関係は一括して買収する会社に包括承継されるので、買収される会社の従業員の労働契約もそのまま買収する会社に承継されるからです。

 (2)の役員としての地位に基づく「退職慰労金」についてですが、そもそも「退職慰労金」は役員報酬であり、(a)会社定款又は(b)株主総会の決議がなければ支給することができませんので(会社法361条)、あなたが「退職慰労金」を支給されるかは、これらの条件をクリアできるかにかかっています。
 (b)「退職慰労金」の支給についての株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数で行います(同法309条1項)ので、「退職慰労金」を支給するかどうかは買収した会社(新株主)の判断にかかっています。
 (a)「退職慰労金」の支給について会社の定款に記載があれば、買収されたとしても定款通りに「退職慰労金」の支給を受けることができます。ただ、会社の定款はいつでも株主総会の特別決議(当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上の多数決)により変更することができますので(同法309条2項11号)、買収した会社(新株主)により定款の内容自体を変更された場合には、「退職慰労金」の支給を受けられないこともあるでしょう。

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