トップページ > なっとく法律相談 > 放火された建築現場から引火し自宅が全焼!建設会社の責任は?
なっとく法律相談 2008年3月31日 更新
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私の住んでいる隣の土地で新築工事が進められていたところ、その建築現場が深夜に放火され、ビニールシート伝いに火が私の家まで燃えあがり、私の家は全焼しました。建設会社は自らも放火の被害者であるとして、私の家が全焼したことの責任は無いと主張していますが、建設会社に対し、何らかの責任を追及できないでしょうか。
(70代:女性)
あなたは建設会社に対し、土地工作物責任(民法第717条)に基づく損害賠償を請求できる可能性があります。
土地工作物責任とは、土地の工作物の設置又は保存中に工作物が安全性を欠いており、その事により他人に損害を生じさせた者はその損害を賠償しなければならないというものです。
建設会社は、工事期間中建築現場の安全管理を任されていたのですから、建築現場の占有者として、その損害の発生を防止するのに必要な措置を講じていなかった場合には、延焼の可能性を認識していなかったとしても土地工作物責任を負うことになります。ブルーシートの張り方如何によってはあなたの家への延焼を防げた様な場合には、建設会社にこの安全防止義務違反が認められることでしょう。
としても、本件は放火犯人では無い建設会社の立場からすると、失火(わざとではない出火)により発生した損害といえます。そして、失火による損害賠償は、失火ノ責任ニ関スル法律により、失火者に重大な不注意がある場合に限り損害賠償義務を負わせることとなっています。そこで、土地工作物責任と失火責任との関係が問題となります。具体的には、失火責任法のみが適用されることになれば建設会社は軽い不注意については責任を負いませんが、土地工作物責任のみが適用されることになれば工作物の設置又は保存中に客観的に工作物が安全性を欠いていればただそれだけで建設会社は損害賠償責任を負わなければならないことになります。
この点に関し、判例の見解も、(1)土地工作物責任のみを適用し失火責任法を適用しない立場、(2)工作物責任に失火責任法の規定を嵌め込んで、土地工作物責任の「設置・保存の安全性を欠いていること」についても「重過失」を要するとする立場、(3)工作物が安全性を欠いていることから直接に生じた火災については土地工作物責任のみを適用し、延焼部分については失火責任法のみを適用する立場など様々なものがあり、一概にどの立場が正しいとは答えられない状況ですが、少なくとも「建設会社も被害者だから」という理由だけで建設会社は土地工作物責任を免れることはできないでしょう。
集計期間: 2008年5月4日-5月10日
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