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なっとく法律相談  2008年6月 5日 更新

自動車事故の加害者が破産!賠償請求はできない?

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Q.

 自動車事故で、人身と物損両方の被害に遭いました。
 加害者が100%悪いのに、加害車両は無保険者車であり、相手方からの支払いが全くありません。
 たまたま、私は人身傷害付弁護費用付の保険に入っていたため、弁護士に依頼しましたが、その弁護士から、「相手が破産宣告しているらしいので賠償請求できない。」と言われました。人身は強制保険でいけるのですが、車両の修理代がかなりかかり、途方に暮れています。当てられ損でしかないのでしょうか。救済していただける方法はありませんか?

 

(50代:男性)

A.

 加害者が破産宣告を受けた時期はいつでしょうか。あなたとの自動車事故の前に破産宣告を受けていた場合と、あなたとの自動車事故の後に破産宣告を受けていた場合とでは、理由が異なりますので(結論は余り変わらないのですが)、場合を分けてご説明致します。

 まず、自動車事故の前に破産宣告を受け、免責決定が確定していた場合、借金を払わなくて良いとする免責決定破産法第253条第1項)の効果は、あなたに対する物損の損害賠償債務にまでは及びませんので、法律的には、あなたは加害者に対し、損害賠償として、車両の修理代を請求することができます。
ただ、あくまでも、「法律的には」請求できるのであり、実際には、あなたが保険の弁護士さんから言われた様に、残念ながら請求できないことが多いでしょう。破産宣告を受けた様な加害者に十分な資力があるとは考えられないからです。お金が無い人に対し、幾ら「支払え。」と言ったところで、支払えないものは支払えないのです。

 勿論、加害者が自らの意思で、親戚からお金を借りてあなたに支払う、などしてくれれば良いのでしょうが、あなたとしてはそれを強要することまではできません。
 最大限あなたにできることは、相手方に対して訴訟等を起こし、損害賠償請求権を判決により認めて貰い、損害賠償請求権の時効を、事故の時より3年間という本来の時効期間(民法第709条)から、確定判決の時から10年間という長期の時効期間に延長(同法第174条の2)をし、その10年間で加害者が資力を蓄えるのを待ち、取り立てる、という方法位です。
 ただ、これには費用も労力もかかりますので、コスト的には余りお薦め致しません。

 自動車事故の後に破産宣告を受け、免責が確定した場合、免責決定は借金を払わなくて良いとする決定(破産法第253条第1項)なので、加害者があなたに対して、車両の修理代を支払う法的義務は消滅します。
同じ自動車事故でも人身についての損害賠償義務は、免責決定によっても消滅しませんが(※故意、又は重過失のみ・同法同条同項第3号)、物損についてはその様な除外規定がありません。
ですから、あなたは、加害者に対して車両の修理代を請求することは、「法律的にも」できません。

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