トップページ > なっとく法律相談 > アパートの入口にある穴に嵌って怪我。管理会社に責任を問える?
なっとく法律相談 2008年6月30日 更新
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先日、会社からの帰りに道を歩いていて怪我をしました。理由は、地面の排水口 (30センチ径くらいの小さいマンホールのような穴)の蓋がなかったために、そこに片足がはまってしまったためです。痛みは歩ける位でそれ程大きくなかったので医者にも行ってませんが、脛を切って血が流れ、スーツのズボンは駄目になりました
現場は、道路に面したアパートの駐車場入口(一応、公道ではなく敷地内)で、件の穴は歩道(非常に狭い)から数十センチの場所にあります。
このアパートの管理会社に、スーツを弁償してもらえるでしょうか?
(30代:男性)
あなたは、アパートの管理会社に、土地工作物責任としての損害賠償を請求し得ます(民法717条1項)。
この土地工作物責任(民法717条1項)とは、(1)「土地工作物」に「設置又は保存に瑕疵」があり、(2)「他人に損害が生じたとき」は、その損害を(3)「占有者」が賠償しなければならないというものです。
(1)「土地工作物」とは土地に接着・固定された、人工的作業により工作された物をいい、「設置又は保存に瑕疵」とはいわゆる欠陥を意味し、工作物が通常有すべき安全性を欠くことをいいます。
道路・排水口は、土地に固定された人工的工作物であり、「土地工作物」にあたるでしょう。また、街灯の光が当たらない程暗く、通行人が多い駐車場入口の道路・排水口を、蓋がないまま放置していたとすれば、道路・排水口が通常有すべき安全性を欠くとして「設置又は保存の瑕疵」も認められるでしょう。
(2)「損害」とは、「加害行為がなかった場合の財産状況と現状との差額」をいいます。
本件では、駄目になってしまったスーツのズボンの実損額(中古価格)が「損害」となります。治療費、慰謝料も「損害」です。
あなたの希望するズボンの弁償が新品購入相当額の賠償であるならば、ズボンの損害に加え、慰謝料も請求するとよいでしょう。裁判所が実損主義を採り、ズボンについては中古価格の賠償しか請求できないという不都合を調整するためです。
(3)「占有者」とは利益を得る意思で、物を事実的に支配する者をいいます。管理権限を有しているアパート管理会社も「占有者」といえるでしょう。
以上から、あなたはアパート管理会社に土地工作物責任(民法717条1項)による損害賠償請求をなしうるので、ズボン代、慰謝料等の損害につき賠償してもらうと良いでしょう。
集計期間: 2008年8月31日-9月6日