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なっとく法律相談  2008年7月 9日 更新

購入した中古車に欠陥!クレジット会社か販売店に対応を求めることはできる?

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Q.

先日、中古車販売店で中古自動車をクレジット払いで購入しました。

ところが、購入後の点検で、エンジンオイルの酷い汚れ、エアコンの不具合、タイヤの側面の亀裂が判明しました。
 その後、販売店に文句を言いましが、「現状渡し」で責任を果たしたとして相手にしてもらえません。
 クレジット会社にも、「代金を立替払いし、処理も終わった」として、取り合ってもらえません。
 販売店かクレジット会社に修理費分だけでも責任を負ってもらいたいのですが、可能でしょうか。

(40代:男性)

A.

 まず、販売店に対する修理費分の損害賠償請求について考えてみましょう。

 前提として、あなたと販売店との間では、中古車についての売買契約(民法555条)が成立しています。そして、中古車売買のように当事者がその物の個性に着目して取引した(特定物売買)場合、債務者は、引渡しの時の状態で物を引き渡せばよい(民法483条)とされています。ですから、中古車販売業者の『「現状渡し」で責任を果たした』との主張は理が無いわけではありません。つまり、債務不履行に基づく損害賠償請求(民法415条)は不可能となります。
 ただし、あなたが、欠陥の無い車相当分の代金を販売店に支払っていた場合には、目的物たる中古車と対価たる代金の間に不均衡が生じ、販売店が不当に利益を得ることになってしまいます。そこで、民法570条は、この不均衡を是正するために、買主が、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求をできると規定しています。
 この損害賠償請求は、売買の目的物に「隠れたる」「瑕疵」がある場合に認められます。「隠れたる」とは取引上要求される一般的な注意義務では発見できないことをいい、「瑕疵」とは目的物が通常有する性質や性能を有していないことをいいます。
 欠陥の詳細は分かりませんが、あなたの車のエンジンオイル、エアコン、タイヤの欠陥が、取引上要求される一般的な注意を払っても発見できないようなものであれば、「隠れたる」といえます。また、中古車が通常有する性質・性能を欠くようであれば「瑕疵」といえるでしょう。  「隠れたる」「瑕疵」と認められれば、あなたは、他の業者で欠陥を修理してもらい、その修理費を販売店に損害賠償請求できるでしょう。
 なお、あなたは、「修理代金を支払うまでは、販売業者に対して車の代金支払いを拒絶する」という同時履行の抗弁権を有しています(571条533条)。

 次に、クレジット会社に対して何かいえないのかを考えてみましょう。
 割賦販売法30条の4は、販売業者に対して売買契約等に基づいて有している抗弁事由を、消費者は、与信業者に対しても対抗できることを規定しています。つまり、同法は、あなたが中古車販売店に対して有する「修理費を払うまでは車の代金支払を拒絶する」との抗弁をクレジット会社に対しても主張できる場合を規定しています。
 このような主張が認められるには、(1)「割賦購入あっせんの方法」により「指定商品」を購入したこと(2)販売業者に対して「抗弁事由」があることが必要となります。
 (1)の「割賦販売あっせんの方法」とは、信販会社等が、商品等の代金を消費者に代わって立替払いし、消費者が信販会社等に分割で返済していく取引を言います。あなたの車の代金もクレジット会社が立替払いしており、クレジット会社に分割返済していくもと思われるので「割賦販売あっせんの方法」といえるでしょう。また車の売買は「指定商品」(割賦販売法2条4項・施行令1条1項・別表第1第37号)にあたります。(2)「抗弁事由」としては、販売会社の責任の最後のところで述べたように「販売店が修理費を払うまでは車の代金支払を拒絶する」という同時履行の抗弁権571条533条)が認められます。
 したがって、あなたは、クレジット会社に対しても、「販売店が修理代金を支払うまでは車の代金支払いを拒絶する」という同時履行の抗弁権を主張できます。この主張をすれば、クレジットの弁済期が過ぎても、修理費を受け取るまでは、遅滞責任を問われることはないでしょう。

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