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なっとく法律相談  2008年9月 1日 更新

レジでの違算金をアルバイトが負担する必要はある?

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Q.

コンビニでバイトしている高校生です。

その日のレジの締めで売上と現金の誤差が出て、現金が少なかった場合、その日にレジに入った人たちで割り勘で埋めるように店長から言われました。自分は必ず確認するし、絶対に間違えていないのに、時給850円で一日4250円のうち、300円~500円を引かれるのは納得できません。

このような割り勘はゆるされるのでしょうか。

(10代:男性)

A.

店長が責任を追及する方法として(1)民法415条債務不履行に基づく損害賠償請求、(2)懲戒処分としての減給が考えられます。

 まず、(1)債務不履行に基づく損害賠償請求民法415条)は可能でしょうか。
 この請求をするには、店長の側が個々のバイトに債務不履行の事実があったことを証明しなければなりません。
 今回のケースでは、レジ担当者が一定でなくレジ操作を誤った当事者は明らかでないでしょうから、店長はあなたがレジ操作を誤ったことを証明できないでしょう。
 あなたがミスしたことが明らかでない以上、店長の損害賠償請求は認められません。
 したがって、あなたが割り勘で損害を支払う必要はありません。

 仮に、あなたが、レジ操作を誤ったことを店長が立証したとしても、(a)労働者の故意・過失の有無・程度、(b)労働者の地位・職務内容・労働条件、(c)損害発生に対する使用者の指示内容の適否、損害発生の予防・リスク分散の有無等が考慮されて、労働者の責任は制限されると考えられます。
 今回のケースで、仮にあなたのミスが明らかになったとしても、(a)あなたが注意を怠った程度や、(b)バイトとしての地位や、労働条件、(c)レジ差損が出ないようにする体制の有無などが考慮され、差損全額を負担させられるようなことはないでしょう。

 

次に、(2)懲戒処分としての減給はどうでしょうか。
懲戒処分としての減給を行うには就業規則に減給が定められている必要があるといわれています(労働基準法89条1項9号参照)。また、懲戒規定は合理的に限定解釈をする必要があり、さらに懲戒権の濫用は厳しく制限されています。
今回のケースで就業規則があるとしても、連帯責任としての懲戒に合理性は認められず、減給は認められないでしょう。
また、仮に、連帯責任でなく、あなた自身のミスが明らかになったとしても、懲戒の相当性を欠く、適正手続きを踏んでいない等で、減給が認められない可能性があります。

以上から、あなたのレジ操作にミスがなければ、損害を賠償する必要はありません。
仮に、あなたのミスが証明されても、必ずしもその損害の全てを賠償しなければならないわけではありません

なお、賃金には全額払の原則があり、賃金から損害賠償額を控除することは禁止されています(労働基準法24条1項、最判昭31・11・2、最判昭36・5・31)。この規定に違反した使用者は30万円以下の罰金に処せられます(120条1号)。

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