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なっとく法律相談  2008年11月12日 更新

海外在住の相手に日本の裁判所で訴訟を起こす事はできる?

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Q.

 以前に付き合っていた外国人の彼氏の父親が経営するマレーシアの会社に、200万円を貸しました。海外送金に関しては、彼の父親からのサイン入りの書面(印鑑などはありません)と銀行からの送金書類があります。
  相手が外国にいる場合でも、日本の裁判所に訴訟を起こすことはできるのでしょうか。

(30代:女性)

A.

 日本で裁判を起こすことも可能ですが、費用・時間などの点を考慮する必要があります。

 まず、外国に住んでいる外国人に対して訴訟を起こそうとする場合、いずれの国の裁判所で解決されるべきなのかという「国際裁判管轄」の問題があります。
  基本的には、民事訴訟法の定める裁判籍が日本国内にあるときは、被告を日本の裁判権に服させることができます(最判昭和56年10月16日)。
  ご相談の場合、お金を返してもらう場所を日本国内と定めているか、定めていなかったとしてもあなたの現在の住所地に裁判籍がありますので(義務履行地民訴法5条1号民法484条)、日本の裁判所の管轄権が認められる可能性はあります。
  もっとも、当事者間の公平・裁判の適性・迅速といった観点から、日本で裁判をなすことを不当とするような事情がある場合には、日本で裁判をすることが否定される場合もあります。

 また、日本で裁判をする管轄権が認められたとしても、日本の裁判所はマレーシアにいる被告(元彼の父親)に対して訴訟の書類を「送達」する必要があります。
  日本は、多くの外国との間で協力を得られる体制となっており、日本の裁判所で提訴された事件について「送達」ができる可能性は高いです。
  ただし、翻訳文の作成が必要であったり、費用・時間がかかるなど、日本に住んでいる人を訴える場合と比べて負担が重くなるといえるでしょう。

 さらに、最終的にあなたが日本の裁判所で勝訴判決をもらったとしても、果たしてその判決に基づいて、相手の財産から強制的に貸金を回収することができるのか(執行できるのか)、そのためにどの程度の手数がかかるのか、という問題もあります。

 以上のように、外国に住んでいる外国人に対して貸金の返還請求をするには、管轄送達の問題に加え、費用、時間、勝訴した場合の実際の貸金の回収可能性などを考慮して、訴訟を提起するか、提起するとしても日本の裁判所に行うのか、相手が住んでいる国で訴訟をするのか等さまざまな判断が必要となりますので、お早めに専門家にご相談されることが望ましいと考えられます。

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